大島(8番)、井手口(19番)のゴールで勝ち切った日本。司令塔の大島にゴールが生まれたのは明るい材料だ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 リオ五輪アジア最終予選のグループリーグ最終戦・サウジアラビア戦で、日本は3日前のタイ戦から10人を入れ替えて臨んだ。それでも2-1で勝利を収め、3戦全勝で決勝トーナメント進出を果たした。
 
 日本がこの日、採用したシステムは過去2戦の4-4-2ではなく、4-3-3。アンカーに三竿、その前のインサイドハーフに大島と井手口を並べたが、序盤は三竿の両脇のスペースを上手く使われ、苦戦を強いられた。しかし、31分に大島の目の覚めるようなミドルで先制点を奪うと、今予選初出場となった井手口が後半に追加点。PKで1点を返されたものの、その後は危なげなく試合を締めた。
 
 第2節を終えた時点で決勝トーナメント進出を決めていた日本は、サウジアラビア戦を、同じ中東の国として準々決勝のイラン戦の「シミュレーション」(手倉森監督)と位置付けていた。
 
 しかし、「もっと歯応えがあると思っていた。イランはもっと体格に幅があって、身体の使い方が上手い。サウジにはそこまでの強さは感じなかった」と指揮官が語ったように、サウジアラビアのパフォーマンスにはやや拍子抜けの感があった。
 
 中盤2列目のファハド、カノー、アシリ、1トップのアルガムディらは個々で実力の高さは示したが、チームとしてのまとまりはなく、ゴール前の迫力はイランに遠く及ばず。日本にとって良き準備の場になったかは甚だ疑問が残る内容となった。
 
 この日の収穫と言えるのは無傷でグループリーグ突破を決められたこと、「彼が復調することでもたらしてくれる影響は絶大」と手倉森監督が認める、チームの司令塔・大島が勢いに乗れたことだろうか。
 
 ただ、サウジアラビア戦では良い教訓もあった。それがPKを奪われ、失点したシーンだ。
 
 ファウルとなった植田のプレーは本来、流されてもおかしくないものだったが、チームとしてPKを取られたのはタイ戦に続きこれで2度目(ちなみにタイ戦では逆に日本もPKを得ている)。今予選のレフェリーはエリア内でのファウルに敏感になっているように感じられ、決勝トーナメントでも細心の注意が必要だろう。
 
 その点は指揮官も「ゴール前での相手のパワープレーにはもっと気を付けなければいけない。今日のサウジは中盤での作りは早くなかったが、アタッキングサードに入ったらゴリゴリやってくる傾向にあった。日本はそこでバタついてしまう。それと審判が(PKを)取りたがる点にも警戒が必要。ボールが来る前に足を動かさなくてはいけない。それをしておかないと、手をかけてしまうなど、慌てた対応になる」と注意を促す。
 
 サウジラビア戦の失点で1次予選から続いていた無失点記録は5でストップした。ただ見方によっては、グループリーグでこのような点の失い方を経験しておいて良かったという考え方もできる。
 
 次戦からはいよいよ負けが許されない決勝トーナメントに突入する。そのなかで日本はしたたかに手堅く戦うことができるのか。「今大会、(イランと同じ)中東勢と初めて対戦して勝てたことは自信につながる」(手倉森監督)というポジティブな面を捉えつつ、3戦全勝の勢いを持って戦いたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)