Doctors Me(ドクターズミー)- 日常生活における放射線被曝と白血病やガンの関係とは?

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3.11以降、放射線被曝への不安を覚える人が増えました。
もちろん危険を避けることは必要です。しかし必要以上に怖がったり、漠然とした不安を抱き続けたりすることは大きなストレスになりますよね。今回は被曝量と白血病・ガンなどにかかるリスクの関係について、具体的に医師に聞いてきました。

放射線被曝ってどういうこと?

「被爆」と書く人が多いのですが、放射線が体に当たることを、正しくは「被曝」と書きます。
これは「放射線にさらされる」という意味です。放射線被曝…恐ろしいものと思うかもしれません。しかし実は日常の暮らしの中でも(宇宙や地面、あるいは食べ物から)絶えず放射線を浴びています。これらの日常生活で我々が浴びている自然放射線の量は日本では1年あたりの平均が約2ミリシーベルトといわれています。

原発事故と放射線被曝の不安について

次に原子力発電所と放射線被曝の関係についてです。
通常の原子力発電所の近くに住んでいることが理由で、放射線の被曝量が増えるということはまったくありません。

そうはいっても、気になるのは福島第一原子力発電所周囲の放射線被曝だと思います。
福島第一原子力発電所周囲の居住制限区域、帰宅困難区域の設定には年間20ミリシーベルトというものがひとつの基準となっています。年間20ミリシーベルトというと、普通に暮らして浴びる放射線の約10倍の量ですから、とても多いと感じる方もいるでしょう。

放射線被曝で白血病やガンが増えるの?

では年間20ミリシーベルトとはどのくらい危険な被曝なのでしょうか。
国連科学委員会によると、100ミリシーベルト未満の被曝による白血病やガンの発症リスクの「明らかな上昇はなし」とされています。

しかし、100ミリシーベルト未満の被曝でも、ごくわずかではあるものの白血病やガンになる可能性は上がるかもしれないという考え方もあります。
どのくらいリスクが上がるのかというと、100ミリシーベルトの放射線を浴びた場合に、白血病やガンにより亡くなる確率が0.5%くらい上昇すると考えられています。つまり、それよりもさらに低い年間20ミリシーベルト未満の放射線を浴びることは、とても小さな確率ではあるものの白血病やガンになる可能性が上がるかもしれないということになります。

このことから、年間20ミリシーベルト未満の放射線を浴びることが原因で白血病やガンになることは非常に確率の低いことではあることがわかります。
しかし、被曝量が増えるほど白血病などのリスクは上がると考えられています。不必要な被曝をできるだけ避けることは重要です。特に子どもは放射線への感受性が高いと考えられています。必要のない被曝はできるだけ避けた方が安心です。
とはいえ、放射線は日常にもありふれたものであり、被曝による白血病のリスクを過剰に恐れる必要はありません。

なお、放射線の影響による白血病やガンというのは放射線被曝後すぐ起こるものではありません。放射線を受けてから数年、あるいはそれ以上経ってから発症するものと考えられています。

【医師からのアドバイス】

「原子力発電所の近くだから白血病になりやすい」という心配は不要です。
日常生活で大きな被曝がある場面というと、主にCT検査などの医療被曝です。病気を見逃さないためにCT検査もやむを得ないという場合はありますが、被曝のないMRI検査などで代用可能な場合もあります。気になるようでしたら、医師に相談してみましょう。

(監修:Doctors Me 医師)