「ダイソン球」で話題の星KIC 462852、減光の原因がふたたび謎に。NASAの彗星通過説では証明困難な現象を発見

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2015年10月に不自然な減光現象が見つかり、一部天文学者から異星文明による巨大建造物、「ダイソン球」ではないかといった意見まで飛び出した連星 KIC 8462852。その後の観測で NASA はその減光現象を「たまたま通過した彗星の群が光を遮ったせいと考えられる」と発表していました。

ところが年をまたいだ1月、今度はダークエナジー研究でノーベル物理学賞を受賞したチームにいた経歴を持つルイジアナ州立大学の天文学者 ブラッド・シェイファー が、彗星説では説明できない現象を発見したと発表。再び減光現象の謎は振り出しに戻っています。

※記事初出時、冒頭の日付に誤りがあった点を改めました。

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シェイファーは写真乾板として保管されている古い観測資料を精査・分析した結果、KIC 4862852 が 1890〜1989年の間にも、約5年間もの長い間、最大20%減光していたことをつきとめました。そして、NASA の彗星説でその現象を証明しようとすれば、直径200kmクラスの彗星が約64万8000個も列をなして通過しなければならず、そんなことが起こるとは考えにくいと結論づけました。

一方で、やはり地球外文明が作り上げたダイソン球のような巨大建造物だとする説については「確かにそこには文明を持つ異星人がいるかもしれない」としたうえで、「恒星サイズの人工建造物の構築はどんなに進んだ文明だとしても、時間やリソース的に困難」と、これまたほぼ否定。ただ、「現在はどの仮説にも決定力がない状態」としています。

どうすればこの減光現象を証明できるのかという疑問を解く方法について、シェイファーは電波望遠鏡を使った電磁波スペクトルの観測を提案しています。恒星のスペクトルはその星を構成する物質や温度によって変わるため、通常時と減光時のスペクトルを比較すればそこで何が起こっているかを推測できるというわけです。

ちなみに、KIC 4862852 の減光現象を発見したイェール大学の天文学者タベサ・ボヤジャン(Tabetha Boyajian)は、昨年10月の発表の時点で、もし新たな減光現象が発生すればニューメキシコ州にあるカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群をすぐに使えるよう手配しているとしています。

不規則な現象ゆえ、つぎの減光がいつ起こるかはわかりません。しかし少なくともその原因がわかるまでは、ダイソン球の線も捨てずにとっておいても良さそうです。