「ええ〜と、アレだよ、アレ」。モノや人の名前がすぐ出てこない「もの忘れ」について、40〜69歳の人の8割が経験していることが、日清オイリオグループが2015年12月17日に発表した「認知症予防の意識調査」で明らかになった。

週に1回以上、「もの忘れ」や「ど忘れ」する人が半数以上おり、中には「初恋の人の名前をど忘れしてしまう」人もいるという。

10人に1人が「初恋の人」を忘れるって、アリ?

調査は、同年7月にインターネットで行われ、1200人の有効回答があった。「もの忘れ」や「ど忘れ」の有無について聞くと、79.5%が「することがある」と回答。さらに頻度を聞くと、「ほぼ毎日」(6.7%)、「週に4〜6回」(6.7%)、「週に2〜3回」(19.2%)、「週に1回」(22.9%)で、「週に1回以上」の人が55.5%いた。

その具体例(複数回答)で群を抜いて多いのが「ドラマや映画のタイトルを思い出せない」(62.5%)と「何かしようと立ち上がったのに、何をしようとしたか忘れた」(59.4%)で、直前に考えたことを忘れる人が6割近くいた。

また、「トシかなと思うことはありますか」との問いには、86.8%の人が「ある」と答え、その具体例(複数回答)で一番多いのが、「会話の途中で、あれ、あれだよ、とモノの名前が出てこないとき」だ。

さらに、これを忘れると「認知症の心配をした方がいい」とよくいわれる「おととい食べた晩御飯の内容を思い出せるか」との問いには、「思い出せない」が31.7%もいた。また、「前任の総理大臣の名前をフルネームで思い出せるか」との問いには、38.5%が思い出せなかった。

最後に、「初恋の人の名前を思い出せるか」と尋ねると、10.5%が思い出せなかったが、調査報告では、「それはむしろ今が幸せだからでしょうか?」と無難にコメントしている。初期の認知症は、最近のことを忘れ、昔のことは覚えているのが特徴だ。昔のことまで忘れたら、かなり深刻と思えるのだが。