『おそ松くん』だった過去も? 若き日のSMAP、苦難の歴史をプレイバック

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今年はSMAPにとって記念すべきデビュー25周年イヤー。お祭りムード一色になるかと思いきや、年明け早々まさかの分裂・解散説が飛び出してきた。
誰もが認める国民的スターながら、その道のりは決して平坦ではなかったSMAP。最大のピンチを迎えている今、その苦闘の歴史を振り返りたい。

ミリオン連発時代に売れなかったデビュー曲


1991年1月1日に日本武道館でファーストコンサートを開催、同年9月9日に『Can't Stop!! -LOVING-』で華々しくCDデビューを果たしたSMAP。
ところが、通常デビュー曲は1位と相場が決まっているジャニーズにおいて、異例となる初登場2位となってしまう。
この時、1位を阻んだのはCHAGE&ASKAの『SAY YES』。時代を代表するメガヒット曲は、7月24日に発売され初登場1位を獲得。その後、まさか13週にも渡って1位をキープしてしまうとは、ジャニーズにとって大誤算だったに違いない。
結局、デビュー曲の売上は累計で約15万枚。ミリオンが連発されていた時代にしては、かなり分が悪いスタートだったと言えそうだ。

SMAP初の舞台はまさかの『聖闘士星矢』


1991年、80年代末に絶大な人気を誇っていた『聖闘士星矢』がミュージカルとして舞台化し、SMAPメンバーが主演を務めている。これがメンバーにとって初めての舞台だ。
主人公・ペガサス星矢に中居正広、最大の敵・海皇ポセイドンに木村拓哉。ここまでは、まあ順当。
ドラゴン紫龍に草なぎ剛。長髪が売りの紫龍がふわっとしたパーマ姿なのはいただけない。今思うと、中国よりも韓国の匂いのする紫龍の気もするが、何かとすぐに「聖衣(クロス)」を脱いでしまう紫龍役は意外と合っていたのかも知れない? 泥酔“全裸”騒動で世間を賑わすのはこれから18年後、2009年のこと……。
アンドロメダ瞬に香取慎吾、フェニックス一輝に稲垣吾郎。この時点での慎吾は14歳だから、なよなよキャラの瞬でも仕方ないのかも知れないが、吾郎の一輝は明らかに堂々とした男らしさ不足の感が否めない。
この10年後の2001年、渋谷にて「人に囲まれてパニック状態だった」と車を急発進させ、婦警に全治5日の怪我を負わしてしまう「稲垣メンバー」、やはり一輝の器ではないようである……。
そして、キグナス氷河に森且行。ロシア系の白い肌が特徴の氷河、だいぶ日焼けしてしまっていたのだった。

『おそ松くん』のパロディもしていたSMAP


曲が売れないSMAPはバラエティ番組に活路を見出すことに。1992年4月より、フジテレビ系『夢がMORIMORI』のレギュラーとなる。
タイトルの「MORIMORI」は、司会の森口博子と森脇健児&当時SMAPのメンバーだった森且行の頭文字に由来する模様。番組内でも「森しばり」にこだわっており、名物コーナーだった「スーパーキックベース」のメンバーには上記3人プラス森末慎二や森川美穂も参加。助っ人も大森うたえもん、森川由加里といった徹底ぶり。90年代初期ならではの顔ぶれであるが、この地味メンツでコーナーが成立していたなんて凄い時代である。

また、「音松くん」という『おそ松くん』のパロディコントも人気に。6人のメンバーにイメージカラー設定があるのは早すぎた『ももいろクローバーZ』か!?
この時点でなぜ今さら『おそ松くん』のパロディ? との声もあったが、2016年の今、続編に当たる『おそ松さん』がブレイクするんだから、世の中分からないものである。

伝説の「森くんハイキックKO事件」


1992年、『桜っ子クラブ』というバラエティ番組で、SMAPメンバーと素人が騎馬戦対決という企画があった。その名も「気合一発!!ザ・男対決」!
もみ合いになった時、暴走した素人の膝蹴りが(確か)木村に直撃。それに激怒した森が右ハイキック一閃!まさに「気合一発」会心の一撃によりKOしてしまう。生放送ゆえに、すべてがバッチリ映像に収められてしまったのだった。

その戦慄の右ハイキックは、PRIDE無差別級グランプリ2006王者にして、K-1 WORLD GP 2012王者のミルコ・クロコップを彷彿とさせる切れ味。
その抜群の運動神経を活かし、後にオートレーサーとして大成する森。格闘家に転身していたら魔裟斗を凌ぐ逸材になっていたかも知れない!?

木村拓哉の影響力が強すぎて殺人事件に?


1997年の木村拓哉主演のフジテレビ系ドラマ『ギフト』では、キムタク演じる主人公が劇中でバタフライナイフを使っていたが、当時のキムタクは時代を代表するファッションリーダー。それゆえ、このナイフまでもが一代ブームとなっていた。

そんな中、このナイフを使った交番襲撃事件や女性教師刺殺事件が発生。刺殺犯の少年がこのドラマの影響を示唆したことにより、このドラマの再放送とDVD化は見送られる形になっている。
このドラマ自体は暴力を肯定する内容ではないが、事件により「不良少年もの」と勘違いした人も多い。キムタクの影響力の大きさが招いた悲劇とでも言うべきか?

連日加熱するSMAP分裂・解散騒動。2020年東京パラリンピック大会などを支援する団体の応援役も務めるSMAPに対し、“日本の顔”でもあるグループの分裂・解散は「日本にとっての損失」との声まで出てきており、政財界の大物を通じて、グループが存続するよう事務所側に働きかける事態に発展しているという話もあるほど。
もはや尋常ではないレベルの国民的関心事となってきているこの問題。一体、どういう着地点となるのだろうか?
筆者的には『たぶんオーライ』で『俺たちに明日はある』になってほしいと、強く思う次第である……。

(バーグマン田形)