西アフリカで大流行したエボラ出血熱について、世界保健機関(WHO)が終息宣言を出した。感染国のうち最後まで残っていたリベリアでも、新たな感染者が一定期間確認されたかったことを踏まえてのもの。

ただし過去には、終息宣言後に新たに感染が見つかったケースが起きている。日本ではこれまで感染者はゼロだが、今回の宣言で「完全決着」と決めつけるのはまだ早いかもしれない。

流行国からの入国者の取り扱い方法を検疫所に通知

WHOは2016年1月14日、「エボラ終息」を宣言した。2013年12月以降、シエラレオネ、ギニア、リベリアの西アフリカ3か国で1万1300人以上の死者を出したが、ようやく収まったと判断された。

だが不安は残る。宣言が出た同じ14日、シエラレオネ保健省が同国内でエボラ出血熱に感染した疑いで死亡した患者が見つかったため、調査中だと発表したのだ。これまでにも同じようなケースは何度もあった。リベリアでは2015年5月に1度終息宣言が出されたが、翌月には新たな感染者が見つかり、死者も出た。もし今回のシエラレオネの患者がエボラ出血熱と確認されたら、またも終息に失敗したことになる。WHOも過去の経緯を踏まえてか、再発の懸念を示して警戒を緩めていない。

日本での態勢は、現在どうなっているのか。厚生労働省は2014年8月8日、各地の検疫所に、エボラ出血熱の流行国からの入国者の取り扱いや、感染が疑われる入国者への診察、健康監視、患者の搬送方法に関して通知し、対応を強化していた。だが流行国の1つだったギニアで2015年12月29日に終息が宣言されたことを受け、厚労省は同日付でこれらの対応策を廃止した。

一方外務省は2016年1月4日時点で、西アフリカ3か国への渡航の際の注意喚起をしている。

「感染症指定医療機関」で治療を受ける

過去には日本でも、西アフリカ経由の渡航者が成田空港などで発熱が確認され、エボラ出血熱を疑われた事例がいくつかある。検査の結果、すべて陰性だった。これまで、日本国内での患者は1人もいない。

厚労省のウェブサイトによると、もし日本国内で感染者が確認された場合、患者は「感染症指定医療機関」に送られて治療を受けることになる。エボラ出血熱は「一類感染症」に指定されている。1月4日現在、こうした患者に対応する医療機関のうち、「特定感染症指定医療機関」は東京、千葉、大阪、愛知の4か所で計10床、また「第一種感染症指定医療機関」は全国47機関で、病床数は88床となっている。