宇宙で初めて花が咲く。ISS長期滞在のスコット・ケリー飛行士が栽培、火星での食物栽培にも希望

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国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中のスコット・ケリー飛行士が、宇宙空間で初めて咲いた百日草の写真を公開しました。宇宙で植物を育てるノウハウは、将来的に火星などでの長期滞在において食料の問題を解決するために活用されそうです。昨年、油井亀美也飛行士が ISS での滞在を始めたとき、ISS内で栽培されたレタスが食卓に上がったことが話題となりました。ISS での植物栽培は当初、乾燥の激しさで次々と失敗しました。水の量を調節して育てた第2ラウンドでは、重力がないためか植物の葉が異常にカールした状態となり、今度は高すぎる湿気と換気の乏しさから茎にカビが生えてしまう始末。

そんななか、スコット・ケリー飛行士は昨年後半から正常に育たない植物に加えて、やや難易度の高い百日草の栽培をスタートさせました。12月28日にはそれらの写真を交えて、「我々の植物はあまりいい状態ではない。私の内なるマーク・ワトニーを呼び覚まさなければ」とツイートしていました。
  
ケリー飛行士の園芸の腕が良かったのか、その後百日草は順調に成長し、1月8日には大きな葉を広げるに至ります。そして16日、その百日草は見事な花を咲かせました。現在、ISSでは食べられる植物として比較的栽培の簡単な白菜とレタスが持ち込まれています。ISS クルーは、花を咲かせることができたので、次は実をならせるべく、トマト栽培に手を染めたいとしています。ただ、現在の計画ではトマトの種子をISSへ持ち込むのは2018年とのこと。ISS ではそれまでに、植物に当てる光び色や強さによってどれぐらいミネラルの合成に影響を与えるかといった研究を進めておく必要がありそうです。

なお、百日草は食用にもなる花として知られます。はたして、ISS クルーはこの百日草をもぎ取ってモッシモッシと食べてしまうのかが気になるところです。

ちなみに、マーク・ワトニーとは日本では2月公開の映画『オデッセイ』(原作:火星の人)で火星に取り残された主人公のこと。ワトニーは植物学者でもあり、作中では食料が尽きないよう火星の居住区内でジャガイモを栽培するシーンが描かれています。
  
NASA をはじめとする各宇宙機関が火星への有人飛行を計画するいま、実際に火星に長期滞在するためには、食料の現地調達は避けて通れない道でもあります。この百日草の開花は、将来火星で収穫を得るための小さな一歩とも言えそうです。