2016年最初のテニス4大メジャーであるオーストラリアンオープン(全豪オープン)が、1月18日から真夏のメルボルンで開幕する。

 ATPランキング7位(1月11日付け、以下同)の錦織圭は、16年のツアー開幕戦であるATPブリスベン大会でベスト8に進出した後、メルボルン入りした。クーヨンクラシックでのエキシビションマッチを1試合消化し、大会会場で出場選手らとともに練習しながらコンディションを整えた。

 16年シーズンも、錦織とツアーを回るマイケル・チャンコーチとダンテ・ボッティーニコーチは、調子の良さそうな錦織のコンディションを次のように語る。

「とてもいいよ。試合をする準備はできています。フィジカルも問題なくいいです。いいオフシーズンを過ごせたからね。テニスもフィジカルもいろいろやって、この大会に備えました」(ボッティーニ)

「圭の状態はいいよ。健康だし、いいプレーができているからね。今のところ、たぶんベストと言えるような練習ができているよ。だから楽しみだね」(チャン)

 錦織は第7シードになり、大会ドローのトップハーフに入った。1回戦の相手は、フィリップ・コールシュライバー(34位・ドイツ)。昨年の全豪と同様、初戦としてはタフな対戦相手となった。コールシュライバーは、ツアーでは数少ない片手バックハンドを打ち、グラウンドストロークのクオリティーが高い。12年7月には自己最高の16位を記録し、ツアー優勝6回の実績を持つ32歳のベテランだ。意外にも今回が初対戦であり、この試合は開幕日の1月18日に入る。

「タフな1回戦になると思います。(コールシュライバーは)もうちょっと上にいてもいい選手。よく知っている選手なので、あまり初対戦という感じがしない。お互いのプレーは知っている。今まで見てきて、彼の上手さも知っている。最初は、相手の出方を見る形になると思う。ここ数日いい準備ができて、いいテニスができているので頑張りたい」

「(ドローの先は)1回戦を勝ったら考えます」と語る錦織だが、勝ち上がると2回戦では、オースティン・クライチェク(102位、アメリカ)と予選勝ち上がりのディ・ウ(240位、中国)の勝者と対戦する。クライチェクとの対戦成績は錦織の1勝0敗で、ウとの対戦成績も錦織の1勝0敗だ。

 さらに順当にいった場合、3回戦からはシード選手同士の対戦が始まる。3回戦では、第26シードのギレルモ・ガルシア-ロペス(27位、スペイン)で、これまで錦織の2勝0敗。4回戦では、第9シードの・ジョーウィルフリード・ツォンガ(10位、フランス)で、錦織の4勝2敗。直近の対戦である昨年のローランギャロス(全仏)準々決勝では、錦織がフルセットで敗れた。そして、準々決勝では第1シードのノバク・ジョコビッチ(1位、セルビア)で、錦織の2勝5敗、現在ジョコビッチの4連勝中だ。厳しい道のりになりそうだが、まずは第7シードを守って準々決勝に進むことが、錦織の第1目標となるだろう。

「気持ちは落ち着いている」と語る錦織は、26歳になって臨む2016年を、どんなシーズンにしたいと考えているのだろうか。

「毎年もちろん良くなるようにやっているので、ランキングも昨年より上がるように頑張りたいですし、今26歳で、これからどんどん、より経験を積んで強くなれると思うので、もっともっといいシーズンにしたいと思います」

 プロ9年目になる錦織は、今シーズン、まだ手にしたことがないマスターズ1000大会での初タイトルやグランドスラムの初優勝を、これまで以上に意識しながら戦うことになる。だが、王者ノバク・ジョコビッチが世界1位を独走し、世界のトップ5には、実力者が顔をそろえる中、錦織が再浮上し、ビッグタイトルに到達するためには、テニスを強くするだけでなく、『ビッグ4』を引きずり下ろす覚悟と大きな勝利への執念が必要だ。

「やっぱり安定してプレーできるようになることが、一番の勝つ近道だと思う。なかなかそんな簡単に積み上げていくことはできないと思いますけど。攻める気持ちも持ちながら、やはり安定したテニスが、どの試合でもできないと上までいけないので、それがいつかできるようになるといいですね」

 世界の頂点に再び近づくための大事な戦いが、メルボルンで始まろうとしている。

神 仁司●文 text by Ko Hitoshi