北朝鮮戦でスピードスターは温存された。指揮官の意図は十分に理解しているが、U-23日本代表FW浅野拓磨(広島)は「一人の選手として、プレーしたかった気持ちが正直なところあります」と胸の内を明かしていた。そして、迎えた第2戦タイ戦で持ち味を発揮する。

 チャンスはいきなり訪れた。前半8分、中盤でボールを受けたMF矢島慎也(岡山)が送った浮き球のパスに反応してPA内に進入した浅野は、左足の強烈なシュートでゴールを脅かしたもののポストに弾かれてしまう。しかし、その後もスペースを突く抜群のスピード、切れ味鋭いターンを武器に、後半17分にピッチを後にするまで精力的にピッチ上を駆け回った。

「立ち上がりは良かったと思います。ただ、僕自身はチャンスもあったので、そこでしっかりゴールを決め切ることが大事だと思いました。チームとしては勝つことができて良かったと思いますが、何よりもゴールがなかったので納得いく試合ではなかったです」

 この試合ではポジションを争うFW鈴木武蔵(新潟)が1得点、FW久保裕也(ヤングボーイズ)が2得点と結果を残しており、「そこは刺激になります。次にチャンスがきたときにFWとして仕事ができるようにしたい」と次戦以降でのゴール奪取を誓う。

 すでにグループリーグ首位通過は決まっているが、第3戦のサウジアラビア戦に向けて、「一人ひとりのスイッチも切れていないと思います」と気の緩みはない。「次の試合が大事になってくると思うし、決勝トーナメントにつなげていかないといけません」と3連勝で決勝トーナメントに向かうと意気込んだ。

(取材・文 折戸岳彦)


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