評価を覆すには五輪に出場するしかない。U-23日本代表DF岩波拓也(神戸)は常々、そう語ってきた。12年11月に行われたU-19選手権の準々決勝で敗退したチームはU-20W杯出場を逃し、14年9月のアジア大会ではまたもや準々決勝で敗れた。アジアでベスト8の壁を打ち破れないこともあり、以前「このチームは周りから、あまり勝てないと評価されていると思う」と漏らした――。

 迎えたリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(AFC U-23選手権)。初戦の北朝鮮戦で先発を託された岩波は、長年コンビを組むDF植田直通(鹿島)とのコンビでチームを1-0の完封勝利に導くと、続く第2戦タイ戦でもメンバー6人が入れ替わる中で先発を守り、今度はDF奈良竜樹(川崎F)とのコンビで4-0の完封勝利に貢献した。

 2試合連続でのフル出場、そして2戦連続での完封勝利。2連勝を飾ったチームは早々にグループリーグ首位通過を決めた。中2日で行われるGL第3戦サウジアラビア戦では、「休養も取り込まないといけない」と手倉森誠監督が語ったように、岩波はベンチで戦況を見守ることが予想される。

 自身も休むことの重要性は十分に理解しているが、「個人的にはすごい出たい」とサウジアラビア戦での出場を望む。もちろん選手である以上、試合に出たいと思うのは当然だろう。しかし、何よりもこの大会に、そして五輪出場に賭ける思いの強さが岩波を突き動かしている。

「全試合に出て、全試合の勝利に貢献したい。今は無失点が続いているので、次の試合も自分が出て無失点を継続させたいとも思う。僕は中2日の厳しい試合に出るために準備をしてきたし、全試合に出るつもりでここに来ました。その覚悟があります」

 何としてでも、このチームで五輪に出たい――。U-20W杯出場を逃したことで、「後悔しているし、その経験があるから絶対に負けたくないという思いを皆が持っている」。そして、なかなかアジアで結果を残せないことで、「周りからはあまり勝てないという評価もあると思います」と語る。だからこそ、「僕自身、五輪に出たい思いは強いですが、五輪に出て評価を覆したいし、僕らのチームが『やれるんだ』という可能性を結果で示したい」と改めて決意を表した。

(取材・文 折戸岳彦)


●AFC U-23選手権2016特集