米国では「ひげ」は「マッチョ誇示男」の印象らしい(写真はイメージ)

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医師の世界は、保守的な男性優位で、女性の進出を阻んでいる。その証拠に、大学医学部の指導教官は「権威の象徴」として口ひげを生やしている人物が幅を利かせ、その数は女性教官より多いというユニークな研究が、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」(電子版)の2015年12月24日号に発表された。

同誌は毎年、変わった研究をクリスマス号に載せることで知られる。発表したのは米ペンシルバニア大学医学部の若手医師のグループだ。

「口ひげ」指数が高いのは、患者を支配下に置く精神科

研究グループは、大学医学部に占める指導的立場の教官(医師)の男女比を調べるため、米国立衛生研究所から助成金を受けている医学系大学の上位50校を対象に選んだ。そして各大学のウェブサイトをあたり、指導教官をピックアップ。男女比とともに男性教官の顔写真をチェック、口ひげがあるかどうか検証した。

口ひげの有無については、鼻の下のちょびひげ、あごひげ、もみあげからほおに伸びるひげ、ドジョウひげ、顔の下半分一帯に伸びたひげなど様々な形がある。そこで、あらかじめ33種類の「口ひげの顔」を図案化し、該当する顔写真を「ひげの教官」に分類した。

その結果、指導教官は50校で計1018人おり、うち男性は881人(86.5%)と圧倒的で、女性はわずか137人(13.5%)だった。また、「ひげの教官」は190人(18.7%)おり、女性教官の数をも上回っていた。米国では「ひげの男性」は「マッチョを誇示するオトコ」の象徴とみられるケースが多い。

論文では、外科や内科、産婦人科など専門分野ごとに「ひげの教官」の割合を示す「口ひげ指数」をつくって分析。20の専門分野のうち、「口ひげ指数」が低く、女性教官の数が「ひげの教官」を上回ったのは、小児科、家庭医学科、皮膚科、産婦人科、形成外科、一般外科の6つだけだった。

逆に、もっとも「口ひげ指数」が高かかったのが精神科で、「分野の特徴として、患者を支配下におくために、権威の象徴のひげを生やす医師が多い」と分析している。

「ひげが本物かどうかわからなかった点はごめんなさい」

研究グループでは、「1960年代以降、女子学生が医学部に進学するようになり、現在、学生の男女比は半々です。医師の数も分野によっては半々なのに、指導的立場の教官では、明確な女性差別が行なわれています。口ひげは男性優位の象徴です。まず、ひげを剃らせることから始めましょう。ただ、顔写真のひげが、本物かどうかの確認がとれなかった点は、私たちもおわびしたい」とコメントしている。