命を燃やせ! 怒りを燃やせ! 今がその時だ!

1月9日(土)、日本が世界に誇るアニソンシンガー、“アニキ”こと水木一郎のバースデーライブが東京・大手町のよみうり大手町ホールにて開催された。


水木の誕生日は1月7日、今年で満68歳となる。ライブは『真ゲッターロボ 世界最後の日』OP「今がその時だ」でスタート。続けて、『マジンカイザー』挿入歌「マジンカイザーのテーマ」。年齢をまったく感じさせないエネルギッシュな歌声がホールに響き渡る。生バンドとコーラス隊の演奏もゴージャスだが、なによりアニキの歌声がパワフルきわまりない。本当にこれが68歳の歌声なんだろうか?

代表曲「マジンガーZ」で超満員のファンと一緒に「Z」ポーズを決めた後は、“世界で人気のアニソン”コーナー。中東で人気の『アストロガンガー』、フィリピンで人気の『ボルテスV』、イタリアで人気の『鋼鉄ジーグ』などが歌われていく。曲の合間に語られるエピソードもいちいちワールドワイド。日本のアニメ、アニソン、そして水木一郎の世界での人気ぶりがよくわかる。

“エンディングテーマの名曲”コーナーでは、『宇宙海賊キャプテンハーロック』ED「われらの旅立ち」のような有名曲から、『ムーの白鯨』ED「信じるかい」や『グランプリの鷹』ED「レーサーブルース」のようなレアな曲までをしっとりと歌い上げる。水木が「今日はこの子を歌ってあげようかな」と、自分の曲を「子」と呼んでいるのが印象的だった。

ライブはどんどん進み、歌もトークも絶好調。アニキ自ら「Z好調!」と言っているのだから間違いない。68歳にして「Z好調!」なのだから恐れ入る。「現役最年長歌手を目指す」という力強い宣言も飛び出した。

宮藤官九郎作詞の「ゼブラーマンの歌」なども挟み、ゲーム『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION』イメージソング「鋼の方舟」で前半戦終了。ここまででたっぷり1時間半以上だが、まだまだこれから。後半に続く!

東北復興! アニソンで未来を変える!


後半はジャズスタイルのスタンダードナンバー「FLY ME TO THE MOON」でしっとりスタート。『新世紀エヴァンゲリオン』のEDテーマだから、これもれっきとしたアニソンだ。同じくジャズスタイルで「ルパン三世 愛のテーマ」も。バンドのアドリブやアニキのスキャットもご機嫌だ。

ここからは“東日本大震災の復興を願う歌”のコーナー。震災直後から被災地で積極的にライブ活動を行うなど、水木一郎は東北の復興に非常に力を注いでいることでも知られている。

ここでは東日本大震災に直面した水木が「大人も子どもも、誰もがまだ見ぬ未来のために戦うヒーロー」という思いで作ったオリジナルソング「THE HERO」、“東北を元気に!”というキャッチフレーズで立ち上がったローカルヒーローのテーマ曲「東北合神ミライガー」、岩手県石巻市にある「石ノ森萬画館」のオリジナルヒーロー『シージェッター海斗』の「まほろばの青春」の3曲を歌い上げた。けっして“懐かしのアニソン”を歌っているだけではなく、アニソンで未来を変えていきたいというアニキの熱い思いがあふれた時間だった。

サプライズゲストの堀江美都子を招いて『仮面ライダーストロンガー』ED「きょうもたたかうストロンガー」のデュエットを披露すると、会場の盛り上がりもさらに上昇。エンディングに向かって『超人バロム・1』OP「ぼくらのバロム1」、『宇宙海賊キャプテンハーロック』OP「キャプテンハーロック」、『がんばれ!!ロボコン』OP「がんばれロボコン」など、水木のキャリアにおいて節目となった“感謝の曲”をたてつづけに歌っていく。

『バビル2世』OP「バビル2世」では、レコーディングの日に風邪をひいてしまい、作曲家の菊池俊輔に叱責されて急遽コロムビアゆりかご会のコーラスを入れることになったというエピソードを披露。それ以来、水木はレコーディングの日に体調を崩したことが一度もないのだという。1200曲も持ち歌があるのに!

作家・吉川英治の「我以外皆我師」という言葉をいつも心に抱いていると語る水木。自分以外はすべて先生であり、すべてから学ぶことができるという意味だ。アニキの謙虚さは、アニメという作品とあってのものであるアニソンを歌い続ける者としての姿勢の現れでもあるのだろう。

アニソンデビュー曲となった『原始少年リュウ』OP「原始少年リュウが行く」で本編は終了。アンコールで『快傑ズバット』ED「男はひとり道をゆく」を歌ったときは、客席にいた中川翔子さんが感極まった叫び声をあげていた(筆者の隣の席にいらっしゃったのです)。オーラスはメドレー「懐かしくってヒーロー〜I’ll never foget you!〜」でシメ。サービスたっぷり3時間30分、圧巻のオンステージだった。


水木一郎を紅白歌合戦と東京五輪の開会式に呼ぼう!


パワフルさで知られる水木の歌声だが、筆者はものすごく丁寧に歌っているという印象を受けた。ベテランの歌手が長く持ち歌を歌っているときにありがちな、“勝手に歌い方を崩す”ということをまったくしていない。いつかテレビで聴いたアニソンそのままの歌声と歌い方を今なおキープしているのだ。だから水木の歌を聴くといつでもあの頃に戻ることができるし、水木本人も「現役最年長歌手を目指す」と未来を見据えていられるのだと思う。

NHKは『紅白歌合戦』で「アニメ紅白」なんて企画をやるのなら、どう考えても水木一郎を呼んで歌わせるべきだった。いや、本人は「Z好調!」なんだから、今年の年末だって遅くない。これほど国民的に人気のある歌手はいないだろう。なんせ道徳の副読本(文溪堂『3年生のどうとく』)にも載っている存在なのだから。

ワールドワイドな人気ぶりを考えれば、2020年の東京五輪の開会式にアニキが登場したっておかしくない。世界中から集まったアスリートや観客、いや世界中の視聴者だって「ゼーット!」と一緒に盛り上がるはずだ。関係者のみなさま、ぜひご一考を願いたい。
(大山くまお)


【セットリスト】
今がその時だ 『真ゲッターロボ 世界最後の日』OP
マジンカイザーのテーマ 『マジンカイザー』IN
マジンガーZ 『マジンガーZ』OP
アストロガンガー 『アストロガンガー』OP
父をもとめて 『超電磁マシーン ボルテスV』ED
鋼鉄ジーグのうた 『鋼鉄ジーグ』OP
テッカマンの歌 『宇宙の騎士テッカマン』OP
信じるかい 『ムーの白鯨』ED
われらの旅立ち 『宇宙海賊キャプテンハーロック』ED
ハーロックのバラード 『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』ED
レーサーブルース 『アローエンブレム グランプリの鷹』ED
はるかなる愛にかけて 『仮面ライダー(スカイライダー)』ED
ゼブラーマンの歌 『ゼブラーマン』劇中主題歌
わが友マジンガーZ 『マジンガーZ対暗黒大将軍』挿入歌
ウルトラマン物語〜星の伝説〜 『ウルトラマン物語』主題歌
鬼の歳三 パチンコ『幕末鬼神伝〜CR鬼の歳三〜』テーマ
鋼の方舟 ゲーム『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION』イメージソング
FLY ME TO THE MOON スタンダード/『新世紀エヴァンゲリオン』ED
ルパン三世愛のテーマ 『ルパン三世』ED
THE HERO オリジナル
東北合神ミライガー 『東北合神ミライガー』テーマ
まほろばの群青 実写版『シージェッター海斗』特別編 劇中主題歌CW
きょうもたたかうストロンガー 『仮面ライダーストロンガー』ED
キミのひかり 『ドラえもん のび太と奇跡の島』挿入歌(堀江美都子)
ほくらのバロム1 『超人バロム・1』OP
キャプテンハーロック 『宇宙海賊キャプテンハーロック』OP
がんばれロボコン 『がんばれ!!ロボコン』OP
バビル2世 『バビル2世』OP
原始少年リュウが行く 『原始少年リュウ』OP
【アンコール】
男はひとり道をゆく 『快傑ズバット』ED
懐かしっくてヒーロー〜I’ll never foget you!〜