「冬空のLove Song」より

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 DAIGOと北川景子にホッコリして、SMAPにビックリさせられた一週間。いい加減みんな忘れかけた……かと思いきや、まだまだ収まる気配を見せないのがベッキー騒動だ。

「なぜLINEが流出したのかな〜?」といった疑問が晴れる間もなく、ベッキーの不倫相手である<ゲスの極み乙女。>川谷絵音(注1)の妻が「週刊文春」に登場。さらなる夫のゲスぶりを公開した。

 結婚した直後に元カノの誘いにフラついたり、プロポーズ記念日に離婚を迫ったり。川谷のヒド過ぎる行動に、妻としては泣きたかっただろう。働きながらバンドを支えた彼女の証言には、改めて「こんな糟糠(そうこう)の妻を裏切るなんて」と、怒りが湧いた読者も多かったはずだ。

「糟糠」は米かすと米ぬか。<糟糠の妻>とは、粗末な食事しかできない貧しい時代から苦労を共にした妻のことだ。成功者に糟糠の妻がいれば美談だが、美しい夫婦関係をぶち壊してきた芸能人たちが、ゲス・川谷以前にもいる。

成功した途端に妻を捨てる”バンドマンの性(サガ)”

 誰しも下積み時代は食えない。機材や遠征など支出が多いバンドマンは特に苦しいが、バイトばかりしていては練習時間も取れない。そこで女性に助けてもらうケースは非常に多いのだ。彼女や妻に支えられながら努力を続け、晴れてブレイクして献身に感謝?--となればハッピーエンドだが、往々にして彼らは狂いだす。

・桜井和寿(Mr.children)
ブレイク前にレコード会社社員の女性と結婚し、子供も生まれた。その後、大ヒットに恵まれてスーパースターとなるが、すぐに不倫が発覚。相手はセクシーさが売りのグループ<ギリギリガールズ>の吉野美佳。結局、桜井は夫人と離婚して吉野と再婚した。彼のヒット曲『シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜』には、周囲から責められたことへの反発と思わしき歌詞がある。

・TERU(GLAY)
デビュー前から付き合って、支えてもらった一般女性と結婚。その後、『HOWEVER』など記録的なヒットを飛ばしたあたりから、同じミュージシャンであるPUFFYの大貫亜美と不倫。結局、TERUは夫人と離婚して大貫と再婚した。

・布袋寅泰
BOOWYとして売り出し中に、ミュージシャンの山下久美子と結婚(注2)。彼女のプッシュもあってモンスターバンドへ成長した。が、楽曲提供から知り合った女優・今井美樹にのめり込んで不倫関係に。結局、布袋は山下と離婚して今井と再婚した。

 ……多少ケースに違いはあるが、他にも数多くのバンドマンやミュージシャンが、成功した途端に糟糠の妻を捨てている。 

 英語に<trophy wife=トロフィーワイフ>という言葉がある。ビッグな男は自分の地位や富の象徴として、若くて美しい女を(往々にして再婚で)妻にすることを指す。精神的、経済的に支えてもらったとしても、自分の弱く貧しい時代を知る女性が、だんだん煙たくなってくるのが成功者なのかもしれない。

 確かに、いま桜井和寿やTERUを「妻を捨てた」と責める者はいない。ゲス・川谷とベッキーが世論をねじ伏せて幸せになれるか、時間と才能の裁きが待っている。

(1) 「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音…27歳。今更だが、紅白歌合戦にも出場した同バンドのボーカル。
(2) 山下久美子…布袋と結婚した時点で売れていたため<糟糠の妻>感は薄いが、不倫されて相当傷ついたと語っている。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ