タイ戦でのスタメン出場の可能性も浮上する松原。持ち前の精度の高いクロスでゴールを演出できるか。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 北朝鮮戦翌日からの2日間、トレーニングでひと際、精度の高いクロスを供給している男がいた。それが2014年8月にはA代表入りも果たした右SBの松原健だ。
 
 松原は昨年4月に右膝を手術。言い渡された全治期間は約5か月だった。地道にリハビリを続け、10月の天皇杯・徳島戦で復帰。11月の神奈川合宿では約8か月ぶりに手倉森ジャパンに招集され、12月には五輪最終予選メンバーに選ばれた。
 
 その後も年末の沖縄・石垣島キャンプを経て調整を続けてきた。先日の北朝鮮戦では出番はなかったが、五輪最終予選へ間に合ったことに関しては感慨深げに語る。
 
「メンバーに選んでもらえたのは非常に嬉しいこと。実績として昨シーズンはリーグ戦の出場は0で、公式戦も1試合と半分しか出ていない。選出してもらった恩返しではないが、しっかりチームに貢献するとともに、リハビリを支えてくれたサポーターの方々に元気な姿を見せたい」
 
 現状ではまだ「どうしても低くて早いのを蹴ろうとすると多少痛みが出る」と話す。しかし、「次の対戦相手(タイ)は身長が高くはないので、低いボールよりもふんわりしたボールで久保や(鈴木)武蔵、(オナイウ)阿道に合わせたい」と意気込みを語る。
 
 多種多様なボールを蹴れる松原であれば、攻撃に変化を加えることは可能だろう。

 
 ただ、松原のコンディションが上向いている一方で、同じ右SBの室屋は北朝鮮戦で好パフォーマンスを披露するなど、こちらも好調を維持。松原がレギュラーに帰り咲くためには、出場の可能性のあるタイ戦、もしくは以降の試合で印象に残る活躍を残すしかない。
 
「状態は非常に良い。クロスも力まずに蹴れている」と話すだけに、あとはピッチで輝きを取り戻すだけだ。
 
 また松原はチームとして戦う大切さも忘れていない。
 
「初戦は11人で勝ったのではなく、チームとしてまとまったからこそ勝利できた。そこは本当に良かった。まずはグループリーグ突破を目指すが、総力戦になるはずので、最後まで強い気持ちを持って戦いたい。この23人で試合に臨めるのはこの大会だけなので、やり切りたい」
 
 松原の右足から完全復活を告げるクロスが供給された時、日本は貴重な武器を手に入れたことになる。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト)