子どもの夜型化が問題に… 睡眠時間はどう確保すればいいの?

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環境省が全国10万人の子どもを対象におこなっている健康調査において、3歳児のうち午後10時以降に就寝する子どもがおよそ30%に上り、7%が睡眠不足の状態にあるという結果が報じられています。この一報は、今月6日に、同調査の中間的な結果が報告されたことによるもので、環境省では「睡眠不足は発育への悪影響や肥満などが懸念される」として、今後も子どもの健康への影響を継続的に調べていくとのことです。

子どもの睡眠不足が肥満を招くという報告も


こうした「子どもの夜型化」については、厚生労働省がおこなっている「21世紀出生児縦断調査」においても、午後9時〜10時台に就寝する幼児が非常に多く、午後9時前に就寝する子どもは5人に1人以下という結果が報告されています。
また、同省の資料では、夜型化や睡眠不足が、子どもの成長の遅れや注意・集中力の低下を招くことも指摘されており、こうした要素が子どもの学習能力に影響するという意見もあります。さらに、成長ホルモンや自律神経への影響などから、国内外の多くの研究で「睡眠不足の子どもは肥満になりやすい」ことが報告されています。こうしたことを考えると、なんとしても子どもには十分な睡眠を摂らせたいところですが、乳幼児にはいったいどれぐらいの睡眠時間が必要なのでしょうか。

昼寝を取りやめる保育園も


アメリカのNational Sleep Foundation(国立睡眠財団)によると、1〜2歳児は1日11〜14時間、3〜5歳児では1日11〜13時間の睡眠が必要とのこと。たとえば、夜10時に寝て朝7時に起きる子どもの場合だと、夜間の睡眠時間は9時間ということになるので、あと2時間ほどは昼寝などで補う必要があることになりますね。

しかし、近年では、2009年に改定された厚生労働省の保育所保育指針で「午睡」のあり方が見直されたことを受け、4〜5歳児のクラスを中心に昼寝を取りやめる保育園も出てきています。これは、昼寝の時間を設けても寝つけない子どもがいることや、昼寝をした子どもに就寝時間が遅くなる傾向がみられることなどによるものですが、では子どもに昼寝が必要ないのかというと、一概にそうとは言い切れません。

それぞれの子どもに合った睡眠時間や方法を見つける


大人の場合、人によって必要な睡眠時間には違いがあり、また最適な睡眠時間を確保する方法(夜にまとめて睡眠を摂る、不足分を昼寝で補う)もそれぞれで違うことが知られています。これは、子どもの場合も同様で、極端に短い睡眠時間は論外ですが、子どもによって必要とされる睡眠時間には幅があり、昼寝の必要の有無も年齢だけで判断できるものではありません。
小学校にあがると、環境的に昼寝は難しくなりますが、それまでの年齢では、昼食後に眠気を訴える子どもについては、昼寝の時間を取ることが必要といえるでしょう。逆に、昼寝をすることで極端に夜の寝つきが悪くなったり、朝の寝不足感が強くなるようであれば、昼寝はせずに、夜間の睡眠時間を十分に確保する必要があるということになります。

一貫した睡眠・起床のリズムを


昼寝をさせる場合には、夜の睡眠に影響を与えないためにも、昼寝の長さは1時間〜1時間半、昼寝の時間帯は午後3時までにしておきましょう。午後のできるだけ早い時間に昼寝をしたほうが良いのは大人も同じですね。
また、睡眠の質を高め、寝つきや目覚めを良くするには、できるだけ一貫した睡眠・起床のリズムをつくり、維持することも大切です。近年では、子ども向けのタブレットなども普及していますが、こうした刺激の強い玩具やテレビなどは、睡眠の妨げとなる可能性があります。子どもが眠る場所はできるだけ静かにしてリラックスできる環境をつくり、決まった時間にきちんと起こしてあげる習慣をつけることが、子どもの健康な睡眠習慣のためには望ましいといえるでしょう。

<参考>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160107/k10010363471000.html
(3歳児の7%が睡眠不足 発育への悪影響懸念 NHKニュースWEB)

http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-007.html
(子どもの睡眠 厚生労働省e-ヘルスネット)

https://sleepfoundation.org/sleep-topics/children-and-sleep
(Children&Sleep National Sleep Foundation)

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shusshoujib/03/dl/01-6.pdf
(第3回21世紀出生児縦断調査 平成22年出生児 子どもの朝起きる時間・夜寝る時間)

http://www.kawasaki-nursing-c.ac.jp/home/hp/teacher/Izumi%20Nishibata/FitnessBiophysiology/vol114FitnessBiophysiology33.pdf
(睡眠時間が短い子どもほど肥満する 川崎市立看護短期大学)