NASAが2019年以降のISS物資補給にシエラネバダ社を追加。滑空帰還するシャトル型無人補給船投入の可能性も

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NASAが、2019〜2024年にかけて国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給を行う民間企業として、すでに実績のある SpaceX および Orbital ATK にくわえ、Sierra Nevada Corporation(SNC)を選定したと発表しました。

 NASA は少なくとも2024年までは ISS 運営を継続することを発表しています。このため民間宇宙企業にとって ISS への物資輸送は、定期的にロケット打ち上げの仕事が入ってくる一大契約となります。

Orbital ATK、SpaceX、SNC の3社は5年間で少なくとも5回の物資補給ミッションを担当します。またその間に臨時の打ち上げが割り当てられる可能性もあります。

3社の補給船はそれぞれ異なる特色を備えるところも注目です。まず Orbital ATK の補給線はオーソドックスな使い捨て型。ISSへ物資を補給した後、ISS からの廃棄物とともに大気圏に再突入し、焼却されます。一方、SpaceX のドラゴン補給船は回収可能なカプセル型。たとえば ISS 内で使用された実験試料の回収などへの利用が想定されています。

新しく追加された SNC が所有する補給船は、有人宇宙船として開発された小型シャトルタイプの"ドリームチェイサー"。これを改造し、無人飛行を可能とした機体を使用する計画とされます。

ドリームチェイサー の優れる点は、シャトル型ゆえ一般的な滑走路への着陸が可能なところ。ドラゴン補給船は繰り返し使用可能ですが、地球への帰還時は海へ着水するため、着水地点での回収作業が必要となります。ドリームチェイサーの場合は飛行場へと降り立つ設計であるため、機体回収に手間がかかりません。



2015年は4月にロシアのプログレス補給船、6月には SpaceX のドラゴン補給船が相次いで ISS への物資補給に失敗。ISS 滞在クルーは生活を維持するための消耗品が不足する事態にまで追い込まれました。幸い、7月には再び補給に向かったプログレスが成功。さらに8月にはJAXAのこうのとり5号機が、ISS滞在中の油井亀美也飛行士による捕捉により無事に物資を届けたことで難を逃れています。が、一時は水再生用フィルターが底をつくなど、かなり危険な状態だったとも言われます。

今回、米国で新たに SNC が物資補給ミッションに加わることによって、万が一打ち上げ失敗が発生したとしても、互いにリカバーできるより安定した供給体勢が構築されるのを願いたいものです。

ちなみに、6月のプログレス補給船の失敗以前にも打ち上げ失敗や人工衛星故障が続発していたロシアは、2016年1月1日に信頼揺らぐロシア宇宙庁(Roscosmos)を解体。ロシア国内の宇宙産業をひとまとめに結集した新たな国営宇宙企業として新 Roscosmos を設立しています。