今夜金曜ロードSHOW!で「天空の城ラピュタ」が放送されます。
まただよ! 何度目だよ! 
はい、15回めです。
 

テレビ放送15回めの道のり


「天空の城ラピュタ」が上映されたのは1986年。実に30年前です。
地上波初登場は、1988年4月2日。
「となりのトトロ」「火垂るの墓」が同時上映された年です。ちなみにトトロの公開日は1988年4月16日


その後、1989年、1991年、1993年、1995年、1997年、1998年、2001年、2003年、2004年2007年2009年2011年2013年に放送されました。

大体2年に一回くらいの周期。
これは他の宮崎駿作品もほぼ同じで、長くても4年に一回は放映されています。
来週放送の「魔女の宅急便」は珍しく間があいており、2011年放送からの、5年ぶり。

ラピュタ初放送時の、日本家庭の録画機器


初回放送の1988年(昭和63年)は、AV家電製品の発展が一区切りし、値段が安くなりはじめた時期でした。
ビデオテープの規格が、ベータマックスとVHSで争い続け、ようやく一段落。各社からVHSが量産化されはじめます(ベータは1975年ソニー開発、VHSは日本ビクターが主導)。
実に、10年近くの争いでした。

VHSは1983年から、ステレオハイファイの音声記録が可能になりました。
「ラピュタ」初放送の時期は、比較的安い値段で、映画のステレオ録画ができるようになりました。

とはいえ。今ほど録画機器が多くの家庭にあったわけではない。
1988年のビデオデッキの記録を見ると、「ナショナルNV-U10」のお値段7万円。
これはかなり安い方。高いものだと20万円以上のものもざら。
85年前後は10万超えのデッキばかりで、ちょっとお手軽とは言いがたい値段でした。

ちなみに1988年放映のアニメは、「キテレツ大百科(放映開始)」「それいけ!アンパンマン(放映開始)」「魔神英雄伝ワタル」など。
ゲームだと「ドラクエ3」が発売。
ゴルバチョフ書記長がペレストロイカを行い、リクルート事件が起き、アルカイダが発足した年です。歴史の教科書に載っちゃってますよ。

ビデオがない家では、ラピュタをこうやって見た


当時家にデッキがなかったアニメ好きっ子(つまりぼくです)は、カセットテープに録音していました。
カセットテープには、A面B面で30分、60分、90分、120分などなど、記録できる時間の種類がありました。
120分テープがお得に見えます。しかし120分テープは薄くて耐久性が弱いので、60から90分が安全とされていました。

ラピュタ録音用なら、60分を3本用意(入れ替えやCMなども考慮の末)。
あとは録音ボタンを押す準備をして、テレビの前で待機。録音中は、親にしゃべらないように念を押しました。CM時に一時停止ボタンを押すことに命をかけました。
ラジオの電波が強い地域は、VHF局にあわせることで録音できたそうです。ステレオ録音とはうらやましい。

この録音したテープを聞きながら「フィルムコミック」を読むのが、オツな鑑賞法。
天空の城ラピュタ 全4巻セット ─フィルムコミック


コミックの名の通り、アニメを切り取って漫画のコマ状にし、セリフを入れて読ませる本。
この形式は、絵をゆっくり楽しむことができるため、録画媒体が手軽になった今も人気があり、「風立ちぬ」や「思い出のマーニー」でも出ています。
コマを見ながらカセットテープを聞けば、目の前は天空。
小説版も必須でした。挿絵は宮崎駿。たくさんイラストが収録されています。

当時はインターネットがないため、友達との情報交換が命綱でした。
特に「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」時代は、「アニメージュ」と「ロマンアルバム」、公開前発売された「GUIDE BOOK」が、バイブル。
「THE ART OF LAPUTA」は、ちょっと子供にはお高かった。


どれも本がでかいので、学校のかばんにいれるとはみ出します。
「ロマンアルバム」は現在の2001年版「ジブリロマンアルバム」が1,646円。発売当初の1986年版「ロマンアルバムエクストラ」が920円(消費税3%)です。
(今は「ジブリロマンアルバム」が入手可能。「GUIDE BOOK」は2010年復刻。またロマンアルバムの内容の一部は「ジブリの教科書」に収録されており、コンパクトにまとまっています)。

ラピュタのレーザーディスク版は、ぼくの身の回りでは、持っている人はほとんどいませんでした。
図書館で初めて見た時は、セル画の傷が見える高解像度に、驚愕したものです。
LDプレイヤーは、1986年製「パイオニア LD-9200D」で約13万円。再生専用機としてはちと高い。

ぼくは……常に話す相手不足でした。男子はみんな、女子のことで夢中なんだもん。
だから、学校から帰ると、延々と1人でラピュタの録音テープを聞き、本の数々を凝視して、反芻し続けました。気づいたところはノートにメモをとり、ラピュタ研究をしました。
おかげで、セリフを全部覚えました。リーテラトバリタウルスアリアロスバルネトリール。残念ながら古代ラピュタ語解読には至りませんでした。

今となっては録画媒体のDVD-R、ブルーレイレコーダーもすっかり安くなっていますし、ソフトも簡単お手軽に入手できます。
なのに毎回、視聴率は高い。Twitterではバルス祭りが毎回開催されます。

一時期ぼくは、ラピュタの放送をあえて見ない、と決めていました。
「ぼくは自分のペースで見るのが好きなんだ」「ぼくのラピュタ愛は、テレビ放送の時間になんて左右されない」と意地を張っていたからです。
でも今なら、ネットを介して、年齢の差なく、みんなとつながるのを素直に楽しめる。
バルス!
(たまごまご)