シュート練習に打ち込む浅野。北朝鮮戦で出番は訪れなかったが、次のタイ戦ではそのスピードを活かせる展開となりそうだ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 北朝鮮戦の勝利から一夜明け、先発陣が軽めのランニングを行なうなか、サブ組中心のトレーニングでひと際、元気な姿を見せたのが浅野だった。
 
 北朝鮮戦はまさかの出番なし。昨季、広島の年間優勝に大きく貢献した男にとってモヤモヤが残る大会初戦となった。
 
「100パーセントの力を出せるように、準備はできていました。出場したらたら得点を取れる自信は持っていました。でもこれで終わりじゃない。最終予選が本当に終わった時に自分のプレーが出せたなと思えるように残りの試合を頑張りたい」
 
 仲間たちが必死に戦うなか、浅野は逸る気持ちを抑えつつ、指揮官から声がかかる時を待ち続けた。しかし、最後まで待望の瞬間は訪れなかった。それでも翌日にはいつもと変わらない笑顔を見せる。
 
「自分自身、ピッチに立てなかった悔しさはあります。でも、日本として勝てたことが良かった。僕もピッチに立つことがあれば期待に応えられるように頑張らないといけないし、この悔しさをチャンスが来た時にぶつけたい」
 
 トレーニングを見ていると、身体のキレはまったく悪くない。いや好調をキープしているようにも映る。昨季は、U-23代表内のJ1勢でトップの8ゴールを奪い、A代表にも選出された。日本のエースとして大会を迎えてもおかしくはない状況だった。ただ、手倉森監督は広島と同じ起用法である“スーパーサブ”の立ち位置を浅野に求めた。
 
 他国のスカウティングが集まった北朝鮮戦で浅野の存在を隠せたことを指揮官は喜ぶ。頭のなかでは、浅野に対する信頼はまったく変わっていないようだ。
 
 
 16日に控えた第2戦のタイ戦では、浅野に出番が回ってくる可能性が非常に高い。
 
 タイに関するイメージはできている。
 
「相手はイケイケでくると思うし、前から来れば僕の特長であるスピードを活かせる場面は生まれるはず。裏のスペースなど、常に集中して隙をつきたい」
 
 タイは小回りが利く前線の選手たちを軸に積極的に仕掛けてくるチームだという。前へ出てくる分、裏のスペースも空きやすい。そこに浅野が走り込んで、ゴールへ直進する――、そんな展開を描くことができる。
 
 ちなみに練習当日には広島から新シーズン、浅野が10番を付けることが発表された。新たな背番号に対しては「伝統のある番号に恥じないようなプレーをしたい」と気を引き締めつつ、「背番号の数だけゴールを奪えれば良い」と目標を語る。
 
 そして「こっち(U-23日本代表)では16番なので、その背番号ぐらい狙いたい(笑)」と、高い目標を設定する。いまだベールに包まれた日本の秘密兵器は、ライバルたちを驚かす活躍を虎視眈々と狙う。そのデビューの時を楽しみに待ちたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)