インタビュー:植田真梨惠「守りたい信念に向かって、受け入れて進む」
6年半のインディーズ活動を経て、一昨年8月にメジャーデビューを果たした植田真梨恵。かつて自分の内面と向き合うことが多かった言葉は、より聴く者の背中を押すものへと変化を遂げながらも、卓越したメロディセンスと確固たる信念は変わることなく、磨かれ続けている。1月20日にリリースされる4thシングル『スペクタクル』は、たとえドラマティックではなくても、誰もが日々、様々な出来事に直面し、時に立ち止まり、振り返りながらも、いつかは前へと進まなくてはならないという人生観のような一曲だ。

−−2015年は、どんな年でしたか?

植田:2015年はデビュー2年目なんですけど、2014年よりも更にめまぐるしく日々が過ぎていく中で、ツアーを沢山やったり、より色んな所に行けたり、また今年の年明けも色んな所に、新たにツアーに組めた場所もあって。沢山の人に会えた一年だったと思います。

−−インディーズから、メジャーになって変わりましたか?

植田:変わりました。常に制作かツアーか、それかどちらも並行してずっと動いている状態で。どちらもとても好きなことですけど、やっぱり焦ったりするタイミングもありましたね。

−−インディーズの頃、楽曲制作は好きだけど、人前で歌うことは楽しくもあり、辛くもあると話されてましたが、それは今も変わらず?

植田:変わらないですね。どんどん人前に立って歌うことが増えたら、慣れるかなと思ってたんですけど、ワンマンツアーをやるにあたってのドキドキ感とか、一回一回の大切さというのは、毎年どんどん大きくなっている気がします。その時々で、集まってくださったお客さんの雰囲気や声を一つ一つ感じ取って、ちゃんと違和感なく、みんなを引っ張っていけるようなライブにしたいと思っていて。自分がそこに見合うテンションで、常に頑張りたいなと思いますね。



−−メジャーになってからは、構成や音数などがよりシンプルに、伝わりやすさを意識されているように感じますが、インディーズの頃と比べて、アレンジに対する意識の変化はありますか?

植田:以前よりも「このぐらいのスケール感で、こういう楽器が合ってくるだろうな」という所を、自分の好きなように任せてもらっている部分が大きいので、個人の趣味みたいなものが強く出てきていると思いますね。

−−最初に一人で作曲する時に、ある程度まで完成形のバンドアレンジがイメージできているんですか?

植田:あるものと、無いものがあって。「これはもうアコギ1本で完結だな」というものもありますし、ただコード感とかを追って作りたい時は、「リズムパターンは大体こんな感じかな?」というのが何個か頭の中にあったり。実際にそれを鳴らしてみて、全然違ったりすることもあるので。

−−例えば、前作のシングル『わかんないのはいやだ』収録曲の『クリア』は、透明感のあるピアノが印象的なアレンジでしたが、弾き語りのライブでは力強い雰囲気になりますよね。

植田:そうですね。レコーディングでは、楽曲の持っている良さを最大限に出せたらと思っていて。アレンジを全部取り外して、例えば小さい声で歌ったとしても、強いパワーを持っている曲を選んでリリースしていきたいと常に思いながら作ってます。

−−弾き語りでライブをする時、アコギのアレンジはどうしてますか?

植田:弾き語りに関しては「ここはこうしよう」とかではなく、私が弾いているバッキングのギターを、そのままアコギで弾いていたり、後はその時々で「ここは今日はしっとりやろう」とか「ここはもうちょっとワーワー言おう」とか、毎回違うんです(笑)。ある程度のコードしか毎度、決まってない気がしますね。