Doctors Me(ドクターズミー)- 感染するのは大人だけじゃない!子どもにも発症の可能性がある「クラミジア肺炎」の感染経路は?

写真拡大

クラミジア肺炎はその名の通りクラミジアが原因で起こる肺炎です。クラミジアにも種類があり、

・Chlamydophila psittaci(クラミジア・シッタシ)
・Chlamydia pneumoniae(クラミジア・ニューモニア)
・Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマティス)

の3つが肺炎を起こしえます。ちなみに不妊の原因にもクラミジアはなりますので重要な病原体です。多くの人はクラミジアという名前はご存知だと思いますが、実は子どもでも発症する可能性があることをご存知でしょうか?

今回はこのクラミジアについて、3つの種類別に、原因や感染経路、予防法を医師に解説していただきました。

Chlamydophila psittaci(クラミジア・シッタシ)

Chlamydophila psittaci(クラミジア・シッタシ)による肺炎はオウム病というもともとは鳥類の病気を起こします。それが人にも感染するのです。

潜伏期間は7〜10日ほどで、症状は高熱、頭痛、筋肉痛、咳、痰、息苦しさなどのほか、肝機能障害も約半数の人にみられるという特徴があります。時に精神的な症状までも出ることがあります。

また、治療にはテトラサイクリン系という系統の抗生物質投与が有効とされますがまれに命にかかわることもあります。ペットで鳥を飼っている人などがやはり感染される可能性が高く、診断する際にもペットとして鳥を飼っているかどうかを尋ねることは重要な項目の一つになります。

Chlamydia pneumoniae(クラミジア・ニューモニア)

Chlamydia pneumoniae(クラミジア・ニューモニア)による肺炎は、これは人から人に感染する肺炎でご高齢の方に多いとされます。先ほどのオウム病の発生頻度の10倍以上で数が多い点からも重要です。

また学校や家族内で集団感染することも散見されます。特にご高齢の方では重症化することがあるので早めに総合病院の呼吸器科などに受診されるべき疾患です。

むせなどによる肺炎に比べますと比較的痰が少なめで、乾いた咳などとも表現され微熱がみられることが多いです。またこの咳は、長引くことが特徴とされます。聴診器で音を聞いても異常な音が聞き取りづらいという点も特徴の一つです。

かなりの確率で知らないうちにこのクラミジアに感染していて、症状なく抗体を有している人は多く、健康な大人の60%は抗体を持っているともいわれます。

Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマティス)

Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマティス)による肺炎は、赤ちゃんが産道を通ってくるときに感染する場合のみにみられるもので、新生児期や乳児期にみられる肺炎として重要な疾患です。

この肺炎の前には結膜炎や鼻炎の症状が見られることが多いのも特徴です。この肺炎は生後4〜12週に発症し、痰の多いタイプの咳、呼吸の回数が多くなるなどの症状が長く続きます。また炎症があるにもかかわらず発熱が見られないのも大きな特徴です。胸のレントゲンでは間質性肺炎という特徴的な肺炎の陰が写ります。

クラミジアによる肺炎は発見されにくい!?

いずれのクラミジアによる肺炎も白血球はあまり増えず炎症のマーカーであるCRPというものや赤沈というものだけが高くなります。レントゲンではスリガラスのようなもやっとした淡い陰影が見られますが、これといった特徴的な所見ではありません。

検査としては痰などからクラミジアの遺伝子を検出したり採血検査で抗体価というものを測って上昇していないかをチェックするのが一般的です。また2〜4週間後に再度抗体価を測って、さらに高くなっていることを確認して診断に間違いがなかったことを確認します。

クラミジアの肺炎の治療方法は?

クラミジアによる肺炎と似たものに、レジオネラ肺炎や肺炎球菌肺炎がありますが、これらは尿検査で検出できるので比較的鑑別しやすいです。

マイコプラズマ肺炎もありますが、クラミジア肺炎と似た部分がとても多く、レントゲン所見などや白血球が増えにくいといった点も似ています。採血でどちらの抗体が上昇しているかどうかでの判断くらいしかないです。

治療は抗生物質での治療となりますが、クラミジアに効く抗生物質は限られていますので、クラミジア肺炎も想定してクラミジアまでカバーできる抗生物質を結果が出る前から経験的に投与を開始せざるを得ません。早期に適切な治療を行えば大事に至る可能性はやはり低くなりますが、診断が遅れると先ほどのオウム病などは命にかかわることもあります。抗生物質はやや長めの使用が必要で10〜14日くらいは続けるのが一般的とされます。

医師からのアドバイス

人から人にうつることもありますが鳥類からうつる怖い肺炎もあるので、かわいくても動物との距離は適度に保つことはとても重要です。

(監修:Doctors Me 医師)