アジアカップ後からのポジティブな変化について語ってくれた香川選手。写真:千葉 格

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 2015-16シーズンのブンデスリーガ前半戦で大活躍した香川真司。スランプが囁かれた14-15シーズンから、このアタッカーにどんな変化があったのか。ドルトムントの地で、本人に話を訊いた。 ──────◆────────◆────── ──ベスト8で敗れた2015年のアジアカップの後、サッカーへの取り組み方は変わりましたか? 「それまで以上に集中し、確かな目標を持って毎日トレーニングに励む。それが、結果を残すための一歩だと思うようになりました。小さな取り組みの一つひとつが力になって、そうした地道な努力が今は結果として表われている気がします」 ──「小さな取り組み」を、具体的に教えてもらえますか? 「チームトレーニング以外のところでの時間の使い方が、上手くなってきたと思います。試合に向けての取り組みも変わりました。例えば、週明けに少しハードなトレーニングをするようになりました。 そして試合が近くなったら、トレーナーと話し合いながらコンディションを整えています。加えて、ストレッチやマッサージも欠かさずやるようになりましたね」 ──他には? 「イメージトレーニングもしています。身体のコンディションに限らず、メンタルを良い状態にする作業は大切です」


──どんなイメージを持って試合に臨みますか?「今季のドルトムントでは、4-3-3システムのインサイドハーフを任されています。3トップをどう活かせば、自分も活きるのか。そのあたりを、マッチアップする相手なども考えながらイメージしています」──そのイメージを実践するために心掛けていることは?「例えば、(CBのマッツ・)フンメルスからショートパスをもらった後の展開です。後ろからの組み立てを想定して、ロングボールの練習に時間を割く時もありますね。 それから、ファイナルサードでボールを受けた際のプレーも重要。僕はスピードに乗った状態でボールをもらうことが多いので、そこからシュートにどう持ち込むか、パスならどこに出すかを考えながらやっています。試合のなかでそれらを判断できるようになってきたのは、練習の賜物です」──そうしたトレーニングは全体練習の後にやるんですか?「はい。ドイツでは自主トレを禁止する監督も少なくないですが、トゥヘル監督は違います」──選手の自主性を尊重してくれる方針が良かったというわけですね。「すごく嬉しいです。全体練習後の自主トレで試合に向けてイメージを掴む作業は、とても大きな意味を持っていますから。スキルアップにもつながるし、伸び伸びやれる環境にいるなと実感しています」
──ここまで素晴らしい活躍を見せていますが、シーズンインした当初(15年7月)、クロップからトゥヘルに監督が代わって不安はありませんでしたか?「ありましたよ。クロップ監督の時と同じサッカーをやり続けるのかという不安が。チームに変化が必要なタイミングだったので」──確かに、14-15シーズンのドルトムントには停滞感が漂っている印象もありました。トゥヘル監督がクロップと同じようなサッカーを標榜すれば、チームとして成長できなかった可能性はありました。「ところが、そんなことはなかった。もちろん、攻守の素早い切り替えは以前と変わらず求められます。でも、それは近代サッカーの基本でもあり、ゲーゲンプレッシング(ゲーゲンはドイツ語でカウンターの意)もそうです。トゥヘル監督の下では、そのうえでポゼッションにもこだわり、コンビネーションを高めるサッカーになりました」──戸惑いはありませんでしたか?「トゥヘル監督の求めるものは、チームにすぐ浸透しました。練習やミーティングで、何度も言われていますからね。監督は明確に意図を伝えてくれるので、僕たち選手も楽しくプレーできています」取材・文:ミムラ・ユウスケ(フリーライター)──────◆────────◆────── 2016年1月14日発売号のサッカーダイジェストでは、香川真司選手のロングインタビューを8頁に渡り掲載。今季からドルトムントで任されているインサイドハーフでの手応え、トゥヘル監督との関係、そして日本代表とドルトムントの共通点と相違点など、気になる話題についても語ってくれています。お見逃しなく!