光をも吸い込むブラックホールが望遠鏡で見えるかも?京大やJAXA、可視光で放射エネルギーの振動現象を観測

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JAXAや京都大学の研究者で構成される国際研究チームは、ブラックホール近傍から出現する放射エネルギーの振動現象を可視光で捉えたことを、英国科学誌「Nature」の電子版で発表しました。従来、こうした振動現象はX線でしか観測できないとされており、今回の発見は、ブラックホールの瞬きを目で見られる可能性を示します。

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振動現象が観測されたのは、地球に最も近いブラックホールをもつ「はくちょう座V404星」。2015年6月中旬から7月初旬にかけて、26年ぶりのアウトバースト(急激な増光現象)を起こしていました。

このアウトバーストを対象に、京都大学を中心に活動する国際変光星観測ネットワーク「VSNET team」、台湾の観測チーム「TAOS team」、ロシア宇宙科学研究所「IKI」による大規模な可視測光観測を実施。観測データを解析することで、5分〜2.5時間程度の周期で明滅する光の変動を可視光で見えているとわかりました。

なお、今回の「はくちょう座V404星」におけるアウトバーストは、NASAが打ち上げたSwift衛星のBurst Alert Telescope (BAT)検出器によって最初に発見されました。その後、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の全天X線監視装置(MAXI)でも確認され、世界各地のプロ・アマチュア天文家の協力による観測が、京都大学主導で開始されたといいます。

ブラックホールは、強大な重力で光さえも吸い込む天体です。そうした特性上、出現する光を可視光で捉えることは難しいとされていました。今回の発見により、「口径数10cm程度の望遠鏡を使えば、ブラックホールのまたたきを直接目で観測できることを示唆する」と研究チームは説明します。

市販の望遠鏡で観測可能であれば、未だ謎の多いブラックホールの観測が、流星群観測のように誰でも楽しめるイベントとなるかもしれません。