記憶と引き換えに小腹を満たしている?

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米カリフォルニア州カリフォルニア大学の研究者らは、通常であれば寝ているはずの時間帯に食事をしてしまうと、脳の海馬が、悪影響を受ける可能性があると発表した。

海馬は記憶や空間認識、学習能力などに関わる器官で、「CREB」というたんぱく質によって記憶を制御している。覚えたばかりの新しい記憶を、大脳皮質に長期記憶として保存できるよう処理する重要な役割も担っており、CREBの活動が低下するとアルツハイマー病を発症する可能性を指摘する研究も存在する。

研究では12匹のマウスを用意し、最初はエサや水を自由に摂取でき、1日12時間照明のあたる環境下で2週間飼育。

その後、エサや水を摂取できるのが昼間(照明があたる時間、午前9時〜午後3時)だけに限定したグループと、夜間(照明がない時間、午後9時〜午前3時)の6時間だけに限定したグループに分け、さらに2週間飼育しながら、認知機能や学習能力のテストをおこなった。

その結果、通常眠っているはずの夜間にエサをとっていたグループは、認識能力が低下しており、飼育しているケージ内に設置されたオブジェクトを5分以内に探し出す試験では、気がつかない場合が多かった。

電気ショックを受けるエリアを設置し、入ると刺激を受けることを認識させても、繰り返し侵入してしまう傾向にあったという。

マウスを解剖し、CREBの状態を調査したところ、夜間に食べていたマウスのCREBの活性が著しく低下していた。

筆頭研究者であるドーン・ロー博士は、今回の現象が人間でも同様かは未確認としつつ、「摂食時間が学習や記憶に影響を与えるという初めてのエビデンスとなる」とコメントしている。

発表はオープンアクセスの科学論文誌「eLife」に、2015年12月10日掲載された。

参考文献
Misaligned feeding impairs memories.
DOI: 10.7554/eLife.09460 PMID: 26652002

(Aging Style)