ふだんからマメに汗をかくことにつきる(写真はイメージです)

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脂肪はつきやすく落ちにくいが、筋肉はつきにくく落ちやすい――。この厳しい現実をはっきり見せてくれる研究を、デンマークのコペンハーゲン大学のチームがまとめ、2015年6月、国際医学誌「ジャーナル・オブ・リハビリテーション・メディシン」に発表した。

入院状態と同じ条件をつくって実験

それによると、たった2週間運動をしなかっただけで、若者は筋力の約3分の1、高齢者は約4分の1も失うという。

実験には平均年齢23歳の若者17人と、平均年齢68歳の高齢者15人が参加した。研究チームは、参加者の足に固定器具を2週間つけて動かせないようにして、筋力と筋肉量がどれだけ低下するか調べた。

同大学健康加齢センターのアンドレアス・ヴィジョル博士は「実際に病気やケガ、あるいは休暇が続いて体を動かさない状態が続くと、体力がどれだけ落ちるかわかっていなかったので、入院状態と同じ条件をつくりたかった」と実験の狙いを説明する。

戻すのに3倍の期間頑張っても難しい

結果は驚くべきものだった。たった2週間だが、若者の筋力は平均で28%、高齢者は23%低下することが明らかになった。筋肉量は若者が平均485グラム、高齢者で250グラム減少した。もとの筋肉量が多い人ほど減り方が大きく、失った筋肉量は、若者は高齢者の2倍近くにのぼった。20代の若者でも2週間体を動かさないと、体力が40〜50歳代並みに低下した。

さらに研究チームは、参加者に2週間の運動禁止状態の後、週に3〜4回の自転車トレーニングを6週間続けてもらい、体力の回復具合を調べた。その結果、若者は元の筋力が回復した人が多かったが、高齢者は回復した人がほとんどいなかった。年をとると筋肉を増やすのが難しくなり、2週間の運動不足は、3倍の期間頑張っても取り戻せなかったのだ。

ヴィジョル博士は「高齢者は運動不足になると、一度失った体力を戻すのに時間がかかります。ふだんからマメに体を動かすことが大事です」と語っている。