「寒っ」ときたら日本人の心に浮かぶもの、それは「鍋」。同じ鍋を囲んで語り、飲み、食べれば、心もお腹もポカポカに。「おい、鍋食い行くぞ!」なんて誘われたら「喜んでー!」と反射的に答えてしまうはず!

そこで今回は、贅沢に蟹鍋?バラエティ豊かな海鮮鍋?がっつり肉鍋?必ず好みが見つかる冬の絶品鍋をご紹介。 本日は、蟹を丸ごと使った贅沢鍋などをご紹介!



かに大根鍋。鍋の具は北海道産の毛蟹と大根のみ。シンプルながら、やみつきになる旨さ。バターの香りに食欲をそそられ、食べ進むうちにスープの味わいも濃厚に。蟹のエキスがしみ込んだ大根も美味
※時期などによって、メニューの変動あり。
極上のふぐ料理と蟹鍋を目指して、いざ行かん!『牧野』

稲荷町


かつては、上野から浅草へ向かう人々が行き交うメインストリートだったというかっぱ橋本通り。延長線上に東京スカイツリーを望むこの商店街で、今も昔も変わらず食道楽の胃袋をわし掴みにしているのが『牧野』である。

店外に下げられた提灯からもわかるように、ここはふぐ料理の専門店だ。下関から仕入れる活とらふぐの身を網上で焼いて食す“焼きふぐ”や、特製の橙酢がふぐの風味を引き立てる“ちり鍋”も最高に美味だが、ここ数年、ふぐに迫る人気を見せているのが“かに大根鍋”。



生きた蟹を仕入れ、その日にさばくのがこだわり。身は甘く、甲羅には味噌がたっぷりと詰まっている

もともとは豚肉を入れ、まかないとして食べていたという。

「最近は多いときで10パイくらいは出るかしら。ふぐの店なのに蟹屋と化してるわ(笑)」と女将。

味噌バタースープに鷹の爪を加え、生の毛蟹と大根を入れたシンプルな鍋ながら、この世のものとは思えないほどの美味しさ。

「皆さん、秘伝の味噌っておっしゃるけど、これは蟹の出汁のおかげなの」

〆の雑炊まで堪能し帰路につけば、“幸腹感”で満たされること必至だ。



〆は雑炊の上にいくらをのせて。眩暈がするほど甘美な味わい。ラーメンと雑炊の両方を頼むお客も多い



内観




「桃太郎鍋」
揺るぎない味を確立した野菜鍋の元祖『桃太郎』

四谷三丁目


この店を訪れた客全員がこの鍋を食する、といっても過言ではないという。名実ともに看板メニューであるその鍋の名は「桃太郎鍋」。岡山出身の先代が四半世紀前に考案し、絶大なる人気を誇る。

鍋の主役は19種類もの野菜。が、白菜やほうれん草、長ネギといった、鍋でおなじみの野菜は入らない。岡山名産である黄ニラ、レタス、小松菜や大葉などの葉野菜がメイン。



〆は、大葉と梅干しが添えられたごはんに、豆腐とスープをかけて食べるのがおすすめ

そして名脇役が、これまた岡山は津山産の黒豚と老舗豆腐店の豆腐、きのこ。あらかじめ昆布ダシの中で牛すじと根菜を煮たスープに、きのこと豚肉、続いてニラと豆腐と青梗菜を煮たら、ほかの野菜は食感を損なわないようさっと鍋にくぐらせ、牛すじの旨みを纏わせるのがキモだ。



大皿に山盛りの野菜も、ぺろりと平らげられてしまう



外観


こだわり抜かれた鶏鍋や毎年恒例の大人気鍋も登場!



1. まずは肉とモツ、ザクを食する まず最初は正肉、内臓とザクが運ばれる。ささみ、胸肉、腿肉の奥には、レバー、背肝、砂肝、ハツなどの内臓が添えられている。ザクは、焼豆腐と葱のみ。染め下ろしで食す
※メニューは、時期などによって変動あり。
歴史的名店が守り抜く滋味に満ちた逸品『鳥榮』

湯島


創業は明治42年(1909年)。春夏秋冬、鶏鍋ひと筋、の名店がここ。食通の間では言わずと知れた、湯島『鳥榮』だ。仕舞屋風の一軒家。紺地に白く屋号を染め抜いた小振りな暖簾をくぐれば、そこは江戸の風情が静かに息づく別世界。

赤々と炭火がおこる長火鉢に鉄鍋をのせ、鶏ガラでとる澄んだスープとみりんが注がれたら、いよいよ鍋の始まりである。といっても、最初に運ばれてくるのは鶏肉と内臓類、焼豆腐に千住葱と至ってシンプル。この気概が『鳥榮』の魅力であり凄味でもある。



2. クライマックスはつくね 沸いたスープに、たたきを投入する。やや小さめに丸めるのがコツ。早く火が入り、スープを煮詰め過ぎない。適度な弾力があれば食べ頃だ

正肉をひとしきり堪能した後でスープをひと口。これが、絶品。クリアにしてシャープな味わいは、まさに五臓六腑にしみ渡るおいしさ。

そしてこの後、登場するつくねがクライマックス。丹念に包丁で叩けばこその、ねっとりと潤いを含んだ光沢が、素材の良さと仕事の確かさを物語る。ふんわりとデリケートな食感は後を引くこと請け合いだ。




3. 〆はさらりと汁かけご飯 最後はお櫃に入ったご飯とお新香が登場。スープのみをかけて味わうのがスタンダードだが、つくねを残しておいてのせるのも、また一興



『鳥榮』の鶏鍋の味わい方をここで伝授。余分なものは一切削ぎ落とされたピュアなおいしさを体験されたし



内観