そうだったのか、という思いである。「23」ではなく「21プラス2」にした理由が、くっきりと浮かびあがってきている。

 1月13日からリオ五輪アジア最終予選に臨むU−23日本代表のメンバーを、手倉森誠監督は2段階に分けて発表した。最初に21人のリストを明かし、昨年末の石垣島合宿を経て残り2名を決定した。

「残り2枠を争っている選手たちが、すごくいい雰囲気を作ってくれている」

 石垣島で取材に応じる手倉森監督の表情には、このときすでに手ごたえがにじんでいた。

 最後の2人として滑り込んだ豊川雄太と三竿健斗は、スタメン出場が予想される選手ではない。だが、短期集中のセントラル開催では、チームの総力が問われる。上位3か国に与えられる五輪の出場権獲得には、スタメンではない選手の働きも不可欠だ。

 豊川と三竿のふたりは、当然ながら高いモチベーションで合流している。最終予選のメンバーに滑り込んだ喜びよりも、「選ばれなかった選手のためにも、チームに貢献しなければ」という思いを胸に刻む。

 手倉森監督は語る。
「国を代表して戦う誇りを持って……と良く言われるけれど、それがどんなものかを選手に刷り込めるかどうかが大事だと思う。自分のためではなくチームのため、選ばれなかった仲間のため、もっと言えば名前も知らない人のために戦う気持ちを持つことが、国を背負う誇りにつながっていく」

 22番目と23番目の選手が示すチームへの忠誠心は、日本人が強みとするグループとしての一体感をさらに揺るぎないものとしている。チームのまとまりは素晴らしい。

 21プラス2の選考は、戦略的にも価値を持っている。

 現地カタール入り直後に、キャプテンの遠藤航がインフルエンザで離脱した。9日にも練習に合流する予定だが、13日の初戦にベストコンディションで臨むのは難しいだろう。決勝戦までの道のりを考えても、無理はさせたくない。

 三竿の招集が、ここで価値を持つ。球際の攻防にタフな19歳のボランチは、遠藤の代役をこなすことができる。高さもある。中盤のディフェンスを引き締めるのにうってつけの存在だ。

 チームは6日のシリア戦、7日のベトナム戦に勝利し、申し分のない状態で最終予選を迎えようとしている。手倉森監督の目ざしてきた「相手にスキを見せないチーム」が、6大会連続の五輪出場へ挑む。