ビタミンDは魚に多く含まれている

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ビタミンDが不足すると、糖尿病や高血圧を引き起こし、最終的に動脈硬化や心筋梗塞などの心血管疾患を発症するリスクが高まる。一方、ED(勃起不全)も糖尿病などと同じ危険因子から発症することが指摘されていたが、ビタミンD不足が直接の引き金になるかどうかは不明だった。

ところが、2015年11月の米国心臓病協会学術集会で、ビタミンD不足がED発症の独立した危険因子になるという研究成果が初めて発表された。

日本人の全成人男性の5人に1人以上がED

研究を報告したのは、米ジョンズ・ホプキンス医科大学のエリン・ミコス教授らのチーム。2001〜2004年に米国国民健康調査に登録した20歳以上の男性3486人を対象にEDとビタミンD不足の関連を調べた。もともと心血管疾患にかかっている人はのぞいた。EDであるかどうかは、口頭での回答をもとにし、ビタミン欠乏症であるかどうかは血液検査のデータを使った。

糖尿病や高血圧の要素を取り除き、純粋にビタミンD不足の要素だけを取り出してデータを調整して分析した結果、ビタミンD不足の人がEDになるリスクは、ビタミンDが正常な人に比べて、32%高かった。

この結果について、ニコス教授はこうコメントしている。

「ビタミンDの欠乏が、糖尿病や高血圧などの心血管リスクと独立してEDの発症リスクを高めることが示されました。ただ、ビタミンD不足を改善すれば、EDが改善するのかどうかは、今後の研究しだいです」

日本性機能学会の2012年の推計によると、日本人男性のED患者数は、中程度EDが870万人、完全EDが260万人、合わせて1130万人といわれる。これは成人男性の全人口約4900万人の5人に1人以上にあたり、多くの男性が人知れず悩んでいる。今回の研究結果について、日本の専門医はサイトの中でこう評価している。

「EDの原因は人さまざまで、どのくらいビタミンD不足が原因の人がいるかはわからないが、女性の不妊もビタミンD不足が影響していることがわかっています。ビタミンDが原因の1つなら、ビタミンDをしっかり意識して、体内に作ることが大切です」

まず運動、そしてカツオやアンコウ、乾燥キクラゲを

ビタミンDは、日光にあたると体内で作られる。紫外線対策を行いながら、スポーツやウォーキングなどで積極的に外に出よう。手のひらを太陽にかざすだけでも効果があるという。

食べ物でとることもできる。魚やキノコに豊富に含まれている。特に多いのが、魚ではカツオ、アンコウ、ソウダガツオ、マイワシ、イカナゴ、しらす干し、カワハギ、スジコなど。キノコでは、乾燥キクラゲが群を抜いて多く、乾燥シイタケ、マイタケ(生)にも含まれている。乾燥キクラゲや乾燥シイタケの戻し汁を捨てるケースが多いが、ぜひ料理に使ってほしい。