Q:胸焼けやゲップを時々するようになり、医師の診察を受けたところ、軽度の逆流性食道炎と診断されました。運動不足の上によく食べるので肥満気味です。対策法を教えてください。(45歳・事務器機販売会社経営)

 A:逆流性食道炎は、胃液などが食道へ逆流し、それによって食道に炎症が起こって、胸焼けなどの不快な症状が出る病気です。酸っぱいものが口まで上がってきたり、みぞおちや上胸部が焼けるように痛んだりすることもあります。
 食道には、胃液が食道に逆流しない仕組みが備わっています。その中心になっているのが、下部食道括約筋です。食道と胃のつなぎ目の(噴門部)にある筋肉で、噴門部弁と言われます。
 食べた物を飲み込むときには、この弁が緩んで食道から胃に食べ物が落ちるようになります。そして、それ以外のときは弁を閉じて食道を締め、胃の内容物が逆流しないようにしています。ところが、ここから胃の一部が胸の方へ通り抜けて、はみ出る場合があり、それを食道裂孔ヘルニアと言います。
 胃の入り口の部分が横隔膜を通り抜け、横隔膜に挟まったような状態となります。そのため周辺の組織が正常に機能しなくなり、逆流性食道炎が生じやすくなるのです。

●横隔膜と腹筋を鍛える
 太っていると腹圧が高くなり、弁が弱って食道裂孔ヘルニアになることがあります。これには、腹筋の筋力低下が関係しています。
 以上のことは、ご質問の方にそのまま当てはまります。つまり、対策の基本は肥満を改善することにあるので、まず食事の量を減らしましょう。肥満の改善には、同時に定期的な運動が必要です。
 また、逆流性食道炎を予防するには、横隔膜と腹筋を鍛える必要があります。さらに、お腹にたまった脂肪は体を動かさないと取れないので、普段から運動をよくすることや、腹筋を鍛える習慣づけも求められます。
 横隔膜を鍛えるのに有効な方法は複式呼吸です。吸気より呼気を重視し、吸気の倍の時間をかけてゆっくりと息を吐きましょう。

菅間裕氏(菅間医院院長)
富山大学医学部卒。東京女子医科大学の外科勤務を経て、マグロ船の船医、離島での地域診療に長年携わった後、菅間医院を開業。地域医療、在宅医療に積極的に取り組み、病気の治療と予防に力を注ぐ。