せきが止まらない…それ、風邪じゃないかも

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【あさイチ】(NHK) 2015年12月17日放送
せきぜんそくにご用心!!」

「ゴホゴホ」と長引くせき。冬の時期、風邪のせいかと思いがちだが別の病気かもしれない。

せきが出始めて3週間続いたら、「せきぜんそく」の疑いがある。患者数は、過去20年で2〜3倍に増えているのだ。

気密性が高い住宅、エアコン作動で冬でもダニ死なない

番組が取材した女性は、せきぜんそくと診断された。一度出始めると止まらないせきに苦しみ、冬の寒い朝は特にひどくなるという。ひと冬を越していったんは治ったかに見えたが、翌年の同じ時期にまた再発してしまった。現在は、狭くなった気道を広げて炎症を抑える吸入タイプの薬を毎日使用してしのいでいる。

東京女子医大・玉置淳教授は「大本の原因はアレルギー」と指摘する。一般的にダニやほこりによって引き起こされるとみられるが、冷たい空気を吸ったり運動したり、ストレスや気圧の変化でもせきが出てしまうというから厄介だ。

スタジオでは、リポートしたNHKの中谷文彦アナを軸に、ゲストの水道橋博士やものまねタレントの福田綾乃、司会の井ノ原快彦と有働由美子アナらがトークを繰り広げた。

水道橋博士「僕も6年前にかかりました」

自宅の地下室のハウスダストやダニが原因だったそうだ。

福田「私はぜんそくなのですが、引っ越して環境の変化で急にせきが出るようになって」

今は吸入器を使っているという。

井ノ原「(せきぜんそくの患者が)急に増えてきたのはなぜですか」
中谷アナ「多くの専門家は、住環境の変化だと。(昔ながらの)『和』の家は通気性がよく、ダニやほこりがたまらないようになっていました。(現代の住宅は)特に冬は気密性が高く、エアコンが動いていると冬でもダニが死なない。こういったことが要因ではないかと言われています」
有働アナ「完治するんですか」
中谷アナ「体質なので完治はしません。ただ、炎症を抑えれば症状は出ないようになります」

せきぜんそくを防ぐ3つの予防法

数週間にわたってせきが続いたら、呼吸器内科を受診するとよい。こうしたクリニックの多くで、専用の測定器を使ってせきぜんそくかどうかを判定してくれる。「最近せきが長引いている」という番組プロデューサーが、体験した。

とはいっても、測定器に付いている管を通じて10秒間、息を吹きかけるだけだ。ぜんそくになると、肺に一酸化窒素が増えるとされており、その濃度を測る。値が25以上だとせきぜんそく、50以上でぜんそくとなるが、プロデューサーは23となり、正常範囲と診断された。測定器だけでなく、エックス線検査や血液検査、医師による問診も実施される。

中谷アナは最後に、予防法を3点示した。「アレルギー反応を起こさない環境をつくる」、「喫煙、副流煙に気を付ける」、「風邪、インフルエンザに注意する」だ。寒いとつい家の窓を閉め切ってしまいがちだが、頻繁に換気して空気を入れ替える。こまめに掃除して、原因とされるダニやほこりの撃退にも努めたい。