Jタウンネット編集部近くを走る新宿通り(国道20号)に、突如として「日の丸」が飾られた。その区間は四ツ谷駅前から、半蔵門交差点までの約1.3キロ。街灯に括り付ける形で、国旗が掲げられている。


祝日ではなく、とっくに元日も過ぎているが、なぜ掲揚が続けられているのだろう。その理由を調査してみた。

数年前から目撃情報が

突如としてあらわれた長蛇の国旗に、おどろく人々はたくさん。編集部内でも「不思議だ」との声が出ていた。また、年が明けてから1週間以上が経過しても、なお掲げられていることをいぶかる声も。

国旗が登場するのは、今年だけに限らず、ここ数年続けられているようだ。

掲揚したのは千代田区

気になった編集部は、この区間を管轄している、国土交通省東京国道事務所代々木出張所に話を聞いてみた。すると、千代田区が道路占用許可を受けて、国旗を設置したとわかった。掲揚したのは国ではなく、区だということだ。


街路灯は国土交通省が管理

そこで千代田区地域振興部安全生活課に話を聞くと、周辺住民から「新年のお祝いをしたい」と要請され、国旗が掲げられるようになったと教えてくれた。もともと、この区間の街路灯は、周辺住民からの一部資金援助を受けて、設置されたものだという。


住民たちは「街をキレイに良くしよう」との思いから国旗掲揚を考えたが、手続き上では地方公共団体が道路占用許可を申請する必要があった。なお実際の掲揚作業は、業者に委託しているという。

1月15日まで見られる

掲揚は1月15日まで。「お正月が終わって、だいぶ経つのにどうして?」と思うが、とくに理由はないそうだ。ただ、鏡開きや成人式シーズンを終え、業者の都合もよいタイミングだという。


麹町駅前の銅像も

住宅街よりもビジネス街のイメージが強い、千代田区ならではの背景もあるようだ。多くの会社では、1月5日が仕事始め。6日、7日、8日――と、各所で新年会が続くと、すぐに翌週へ入ってしまう。そんな多忙な人々でも、15日まで掲揚していれば、見てもらえる。単に「外し忘れた」のではなく、心温まる思いが込められていたのだ。


愛情のたまものだった