助け合いの精神で

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ストレスがたまった時、あなたはどうしていますか? カラオケに行って思いっきり発散する? 自分へのご褒美にケーキをパクパク食べる? 実は「人助け」がストレス解消にもってこいという研究を米エール大学医学部のエミリー・アンセル教授らがまとめ、2015年11月、米臨床心理科学誌「クリニカル・サイコロジカル・サイエンス」(電子版)に発表した。

おカネがかからず、自分と他人の両方のためになる「一石二鳥」の方法だ。

「ドアを開けてあげる」「声をかける」で一日中幸福に

研究チームは、18歳から44歳までの男女77人を対象に14日間にわたり日々の感情や体験をスマートフォンで報告してもらった。精神疾患やアルコール依存症など心に問題を抱える人は対象から外した。

チームのスタッフが毎晩、対象者とスマホでやりとりをして、自宅や勤務先、学校で起こった様々な出来事、健康状態、支出収入、買い物などの日常行動を細かく聞き取り調査。また、その日のストレスの度合いや感情の自己評価を尋ねた。

自己評価は、心理学の研究でよく使う、自分の気持ちがポジティブかネガティブかを10〜20段階でチェックする「感情測定質問表」(PANAS)を使った。同時に、「ドアを開けてあげる」「宿題を手伝ってあげる」「困っている人に声をかける」など、何か援助行為をしたかどうかを尋ねた。

その結果、何らかの人助けをした人は、幸福感が高まった。逆に人助けをしなかったり、普段より少なかったりした人は、ストレスの度合いが高くなり、感情が落ち込んでいた。特に、人助けを頻繁に行った人は、感情が平穏に保たれ、ほとんどストレスを感じていなかったという。

ちょっと隣人を助けてあげるだけで

アンセル教授は、「驚いたことは、人助けの効果が日常生活のすべてで一貫していたことです。今日はストレスがたまっているなと思ったら、ちょっと隣人を助けてあげるだけで、ストレスがなくなります。助けを必要としている人を支援することが、結果的にあなた自身を気持ちよくしているのです」と語る。

そういえば、ことわざの「情けは人の為ならず」の意味は、「人に親切をすると、めぐりめぐって自分に良いことが返ってくる」だった。