昨年末の沖縄・石垣島合宿から好調を維持する豊川。ベトナム戦でもしっかり結果を残した。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 リオ五輪アジア最終予選に向けてカタールで合宿中のU-23日本代表が7日、ドーハのアル・アハリ競技場でU-23ベトナム代表と対戦し、2-0で勝利した。前日6日のシリア戦に続いて非公開で行なわれたなか、11分にMF豊川雄太が先制ゴールをマーク。18分にはFWオナイウ阿道が続いた。
 
 手倉森誠監督が「序盤は良い形が続いた」と振り返ったように、素早く先手を取った。豊川のゴールは4-4-2の両サイドハーフが連動し、ゴール前へのクロスを右MFの矢島慎也が競って頭で落とし、左MFの豊川が落下点に飛び込んで決めたもの。
 
 胸トラップからの右足ボレーでゴールネットを揺らした豊川は「慎也君が頑張って落としてくれた。上手く決められたし、得点を決めたことは良かった」と振り返る。
 
 豊川は69分にMF南野拓実と交代するまで、相手の裏を狙う動きでチームを活性化。途中出場した前日のシリア戦と合わせて計90分間の調整を終え「上がってきてますね」と納得した。
 
 豊川はサバイバル合宿を勝ち抜いた男だ。リオ五輪最終予選の21人のメンバーが発表された後の沖縄・石垣直キャンプでは猛アピールが実を結び、残り2枠の追加メンバーに滑り込んだ。
 
 石垣島キャンプでの紅白戦ではCKから1アシストするなど、チームに数少ないキッカーとしても存在感を示した。同合宿では序盤から調子が良く、手倉森監督も「キャンプの2、3日目ぐらいから動きが良かった」と話す。
 
 追加2選手の1番手として指揮官の構想に入っていた。最終的にMF三竿健斗とともに選ばれ、指揮官から「裏への飛び出し、相手の守備をはがすフリーランニング、そして彼の豊富な活動量が1か月の戦いに必要だと感じた」と高く評価された。得点力不足解消のラッキーボーイとして期待は増す。
 
 メンバー入りが有力視されていたMF関根貴大やFW鎌田大地は落選したが、豊川は「ドリブルやパスが上手い選手はいますが、ゴールに向かっていく、相手の背後を取る。そうした動きやフリーランで相手が嫌がる動きをするのが自分の特長」と自己分析する。
 
 ベトナム戦でも、最終ラインの裏を縦に速く突いた攻撃に絡み、アクセントをつけた。ただ試合後には「もっとコミュニケーションを取り合いながら高めていきたい。本番で取らないと意味がないので」と語る。
 
 3月のリオ五輪1次予選は3試合中2試合に出場。初戦のマカオ戦で得点を決めるなど、最終予選に導く活躍を見せた。
 
 新シーズンは鹿島から岡山に期限付き移籍することも決まっている。
 
「今までと異なる環境で、1シーズンという限られた時間のなかで、自分のサッカーに磨きをかけたいと思います。今はどんな形であっても試合に出場し続け、試合のなかで成長する必要があると感じて決断しました」
 
 出場機会を求め、3年間プレーした常勝軍団を離れる覚悟を決めた。すべては最終予選を突破した先にある五輪本大会に出るため。好調な豊川がチームの鍵を握りそうだ。