「根拠なき脳トレゲーム」の顛末は、200万ドルの和解金支払いへ

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「脳力トレーニング」ゲーム「Lumosity」に認知症などの予防効果があると宣伝されていた件について、Lumos Labs社は、米連邦取引委員会(FTC)に200万ドルを支払うことに同意した。

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人気の「脳力トレーニング」ゲーム「Lumosity」を開発したLumos Labs社は、虚偽広告で告発された件について、米連邦取引委員会(FTC)に200万ドルを支払って和解することに同意した。

FTC消費者保護局のジェシカ・リッチ局長は、声明のなかで次のように述べた。「Lumosityは、年齢からくる認知機能の低下に対する消費者の恐怖心を利用し、このゲームをプレイすれば、記憶力の低下や認知症、さらにはアルツハイマー病まで食い止められるような印象を与えた。しかし、宣伝内容を裏付ける科学的根拠は何もなかった」

FTCの告発状(PDFファイル)によれば、Lumosityは、の特定の領域を訓練するように考案されたというオンラインゲームやモバイルゲームを多数提供している。

Lumos Labs社は大規模な広告キャンペーンをうち、このトレーニングは、学校や職場、さらにスポーツなど、「生活のあらゆる側面で、潜在的な脳の力を100パーセント発揮する」手助けをするとうたい、認知症やアルツハイマー病の予防にもつながると宣伝していた。

Lumos Labs社はさらに、同社の脳トレーニングは、化学療法の副作用を軽減するのに役立つとも主張していた。利用料は、月額14.95ドルから、生涯会員299.95ドルまでだったという。

Lumosityの宣伝活動は、CNN、Fox News、History Channel、National Public Radio、Pandora、Sirius XM、Spotifyなど、テレビ・ラジオのネットワークを通じて広く行われた。Lumosityはさらに、電子メールやブログ投稿、ソーシャルメディア、自社ウェブサイト「Lumosity.com」においてマーケティングを行い、グーグルの「AdWords」を利用してウェブサイトにトラフィックを誘導したほか、記憶、認知、認知症、アルツハイマー病に関連したキーワードを何百個も購入した、と告発されている。

和解文書には、Lumos Labs社は同社製品について、「ターナー症候群心的外傷後ストレス障害(PTSD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中あるいは化学療法の副作用など、健康状態が原因で起こる認知機能障害を軽減する」と主張することはできない、とも書かれている。

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