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|最も興味深いウェアラブルのひとつがその一歩を踏みだす

ウェアラブルに関して何度も頭をもたげる問いといえば、「一体、ウェアラブルに出来てスマートフォンやラップトップでできない事とは何なのだろう?」というものだ。

これは、洗練された問題ではないにしても重要なことである。往々にしてウェアラブルは携帯電話に取って代わるための何かとして、その存在を主張しがちである。

バンド、ウォッチ、ジュエリーなどといったハンドベースのウェアラブルは、現在のウェアラブル市場の主要なものとなっている。だがこれらのガジェットがより高度にコンパクトになっている中、一部の開発者は体のもう一端に目をつけている。事実、最もエキサイティングでイノベーティブな開発のいくつかは、そのもう一端である足に向けられている。

●「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シューズ

ナイキはバック・トゥ・ザ・フューチャーに登場する未来的な靴を取り上げ、その試作品をNike Magと組み合わせデジタル技術を活用したNike Mag power lacesと呼ばれるものを作り上げた。これが実現したものとは着用者の動きを感知し、それに合わせた快適性やサポートを提供するというものだ。マイケル・J・フォックスがこれを試しているビデオを見ることも出来る。こういった適応性を実現するテクノロジが現れ、かつての未来は現実のものになったのかも知れない。

●Digitsoleのスマート足温テクノロジー

足の冷えに悩む人なら、Digitsoleがアスリート及び冷えに悩む人のために出した初のコネクテッドインソールに興味を持つだろう。インソールの温度はスマートフォンを経由してコントロールされ、同時にカロリーや歩数のトラッキングも行われる。最高温度は45度で、温度が上がるまでに3分ほどかかり、その後は6時間にわたって暖かみを保ち続ける。小売価格は$199だ。

●GPS Smart Sole


[心配性の会社役員や認知障害者のためのGPSが組み込まれたシューズ]

ウェアラブルが抱える問題として、それを身に着けることを忘れないようにしなければいけないということもある。このGPS Smart Soleを身に着けることを忘れるであろうアルツハイマーや痴呆症、自閉症、精神的外傷を負った人々の為にデザインされたものである。老人向け住居の提供者や、老いた親の面倒をみる子供、子供の誘拐が心配な会社役員などがターゲットとなるこのGPS Smart Soleは、小型のGPSトラッキングデバイスと、一回の充電で2-3日もつバッテリーが組み込まれている。デバイスからの信号は着用者がどこにいるのかを知らせるウェブサイトに送られる。商品の価格は$299、加えてデータプラン用の料金がかかる。

●Shiftware Sneakers


[着脱せずに靴を履きかえる]

全てのウェアラブルが機能的なものである必要はない。創造性の為だけにものも存在する。Shiftware Sneakersは、最新の折り曲げ可能で防水機能付きの、HD画質に対応したウェアラブルを発表した。これは側部にeペーパーを使ったものだ。着用者は対応アプリを使い、そこにデザインやアニメーションを表示することが出来る。Shiftware自身もそのアプリを通じて自社のデザインを販売している。一般向けに販売はされないが、販売前の価格は$150からだ。

●Rocket Skates


[ローラースケートも昔とは違う]

ローラースケートはもはや子供やローラーゲーム愛好家だけの娯楽ではない。昨年のCESで登場したRocket Skatesは世界初の電子的なスケートだ。スケートを前に傾ければ最大10マイルまで加速し、かかと側へ傾ければブレーキがかかる。様々なデザインが販売されており、その価格は$499からだ。

Rocket SkatesにはiOSおよびAndroid向けのアプリの他、オープンの開発キットが付属し、独自のアプリやゲームを作ったり、スマートウォッチやスマートグラスなどの他のデバイスと統合したりすることができる。実に面白い製品だが、裕福な人やローラースケートに懸けている人でもない限り、あまりに高価なものかもしれない。事実、企業側もこの商品を広めるのは簡単なことではないと認めている。

●Quellの鎮痛デバイス


 [Wearableによる薬を使わない痛みの緩和]

FDAが要求する安全性試験に合格することは、医療ウェアラブル市場においてかなりの障壁になっている。だが去年の4月、Quellの薬を全く使わないウェアラブルデバイスが医療的に慢性的な痛みを和らげる事が医療的に証明され、唯一FDAの認可を勝ち取った。

Quellのデバイス(足ではなく脚に着用する)はスポーツ用バンドに電極とデバイスが取り付けられている。そのバンドがふくらはぎを覆うような形となっており、デバイスの電極は着用者と直接接触する。デバイスはふくらはぎ上部にある神経を刺激し、信号は脳に送られ、身体が痛みを和らげようとする反応を呼び起こすという仕組みだ。適量の体内で生成されたオピオイド(鎮痛剤)が脊髄に放出され、痛みがブロックされるというものだ。Quellスターターキットと6カ月分の電極の料金は$398.75になる。

●発電する靴下


[尿で動作するウェアラブル]

まるでベア・グリルの番組に出てきそうな話だが、ウェストイングランド大学の研究チームは、彼らが言うところの「世界初の生体燃料電池を使った自給自足が可能なウェアラブル発電機」を開発したという。具体的に言うと、この靴下は尿を使って発電するというのだ。柔らかい生体燃料電池(MFC)が靴下デバイスのかかと部分に組み込まれており、それを履いて歩き回ることで尿が取り付けられたチューブを循環し、MFCに流れ込む。流れ込んだ尿はMFC内のバクテリアが消化し、電力が発生する仕組みだ。

研究者たちによると、「緊急時などに尿の供給だけで人の居場所を発信できるようなウェアラブルシステムというのは十分に考えられる話だ。この様な方向を追及することで、MFCの用途が広がるだけではない。このデバイスは人が着用し尿の供給が無ければ動かない事から、組み込み型の生存確認装置というコンセプトも登場することだろう。このことからアウトドア用品や軍用装備、船上活動やサバイバルキットなどでも、さらなる可能性が生まれるかもしれない。

将来多くの足用ウェアラブル、特にGPSトラッキングやペインコントロールツールなどが皮下に注入される日が来る可能性がある事は注目に値する。今のところ、足用ウェアラブルはハンドウェアラブルやヘッドギアほど人々の注目を集めているわけではないが、この開発を推し進める動きが何らかの兆候であるとしたら、それは未来の方向を指し示しているのかもしれない。

ReadWriteJapan編集部
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