「金曜ロードSHOW!」にルパンが帰ってきた! でも、なんでジャケットが赤じゃなくて青なの? なんで日本やアメリカじゃなくてイタリアにいるの? ルパンが結婚したって本当なの? 誰と結婚したの? 


今夜、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」にて『ルパン三世』のTVスペシャルが2年ぶりに放映される。題して『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』。現在放映中の30年ぶりのTVシリーズ『ルパン三世』の流れを汲むエピソードだ。スタッフも、総監督の友永和秀、監督の矢野雄一郎、シリーズ構成の高橋悠也をはじめとして、すべてTVシリーズと同じである。
(予告動画)

だが、新TVシリーズは深夜に放送されている上、ネット局も限られているため、TVシリーズを一度も見ないままTVスペシャルを見る人も多いと思う。そういう人は、冒頭のような疑問が頭に浮かぶんじゃないだろうか?

TVシリーズを見ていない人にでもわかるようにつくられているという『イタリアン・ゲーム』だが、やっぱり予習しておくに越したことはない。そこで、現在放映中のTVシリーズ『ルパン三世』の設定を簡単におさらいしておこう。

なぜジャケットが青なの?


ルパンのジャケットといえば、TV第2シリーズ(77〜80年)で定着した「赤」を思い浮かべるファンが多いだろう。また、TV第1シリーズ(71〜72年)や『ルパン三世 カリオストロの城』(79年)などで着用した「緑」も根強いファンが多い。
今回のTVシリーズ『ルパン三世』はイタリアが舞台ということもあり、現代的なイタリアンファッションを意識して「青」が選ばれている。
実際にイタリアで「ルパンはどういうジャケットの色が似合うか」というアンケートを採ったところ、青が人気だったらしい。「(イタリア人にとって青は)かっこいい男の象徴みたいなところがある」と浄園祐プロデューサーは語っている。「イタリアンブルー」という色名もあるほどで、ルパンのジャケットの色にも反映されている。
また、今回の主な舞台となっているイタリア半島の小国・サンマリノの国旗に、アドリア海と空を表現した青色が使用されているところもポイントだ。

どうしてイタリアが舞台なの?


イタリアでは『ルパン三世』がほぼ毎日のように再放送されており、絶大な人気を誇っている。セリエAのユベントスの応援グッズにルパンの絵が描かれたタオルがあったり、タバコ屋のシャッターに次元の絵を描くのが流行っていたりするほどだ。
そこで、新TVシリーズ『ルパン三世』は日本アニメの輸出戦略の一環として、イタリアのマーケットを狙って製作された。イタリアに売り込むことで、ヨーロッパから世界中に波及することを狙ったのだ。放送も日本よりイタリアのほうが早く、昨年8月からスタートしている。
そのため、イタリア人の好みに寄り添う“現地化”を行い、イタリア人が好きなサッカーのエピソード(第2話)やワインのエピソード(第10話)などが盛り込まれた。主な舞台の古都サンマリノは、イタリア人にとって憧れの地であることから選ばれている。
友永和秀総監督は、舞台をイタリアに絞っていることについて、「イタリアならイタリアで舞台を限定して、そこで濃密な画面を作り、場面設定していったほうが説得力を出せるのではないか」と語っている。
また、原作者のモンキー・パンチは「ルパン三世はイタリアが似合う」と舞台設定を賞賛している。

レベッカって誰?


TVシリーズの新ヒロインとして登場した“アドリア海のダイヤ”こと、レベッカ・ロッセリーニ。今回のTVスペシャル『イタリアン・ゲーム』では、いきなり誘拐されてしまう重要な役回りを担う。
サンマリノの名家ロッセリーニ家の令嬢であり、ロッセリーニ財閥の若き会長でもあるレベッカは、スーパーモデルとしても活躍する超セレブであり、ゴシップクイーンでもある。そして実はとんでもないアドレナリン・ジャンキーで、スリルのためなら泥棒までやってのける女だ。単なる騒がしいだけの小娘ではなく、日本が誇るセックス・シンボル、峰不二子と張り合うだけの胆力も持つ。
第1話ではルパンのプロポーズを受けて結婚式を挙げており、しばらくは「ミセス・ルパン」を名乗っていたが、実は婚姻届を出していなかったことが発覚している。
ルパンがレベッカにプロポーズしたのはロッセリーニ家に伝わる王冠を盗むことが目的であり、その後は離婚を懇願していたが、最近は「ワイフのため」と言いながらレベッカのために行動することが多い。『イタリアン・ゲーム』でも、誘拐されたレベッカを奪回するため、ルパンが奮闘する様子が見られそうだ。

「カリオストロ伯爵の遺産」って何?


『イタリアン・ゲーム』のあらすじは、仮面伯爵なる謎の人物がルパンに「あるお宝」をどちらが先に盗むか勝負を持ちかけるというもの。その「あるお宝」が「カリオストロ伯爵の遺産」である。
カリオストロ伯爵の名は、TVシリーズにも一度登場している。第3話で、カリオストロ伯爵が残したマリー・アントワネットの首飾りの欠片を不二子が欲しがり、ルパンが盗みに入るというエピソードがあった。ただし、今回登場する「カリオストロ伯爵の遺産」との関連は不明。
カリオストロ伯爵とは18世紀に実在した詐欺師で、最後はサンマリノ近郊にあるサンレオの牢獄で獄死している。モーリス・ルブランによる小説『カリオストロ伯爵夫人』は、アルセーヌ・ルパン(ルパン三世の祖父)がカリオストロ伯爵の娘を名乗るカリオストロ伯爵夫人と対決している。宮崎駿監督は、この小説をモチーフにして『ルパン三世 カリオストロの城』をつくりあげた。ヒロインのクラリスという名前も、『カリオストロ伯爵夫人』の登場人物から採られている。

と、このへんで予習はおしまい。あとは今晩9時から『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』を楽しむべし。チャンネルは決まったぜ。
(大山くまお)