魚を食べると太りにくいエビデンスがついに(京都大学プレスリリースより)

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京都大学大学院農学研究科の河田照雄教授、後藤剛准教授らの研究グループは、魚に含まれる油が脂肪燃焼細胞である「褐色脂肪細胞」を増加させることを確認したと発表した。

人には脂肪をため込んでしまう「白色脂肪細胞」と、脂肪を分解し熱を作り出し、体温を保持しつつ、全身のエネルギーを調整する褐色脂肪細胞が存在する。褐色脂肪は加齢とともに減少し、中年太りやメタボリックシンドローム、生活習慣病などを引き起こすことがわかっていた。

河田教授らは、魚油を摂取すると過体重が抑制されるとする研究が世界中で発表されていることに注目。35匹のマウスを「魚油を含む高脂肪食」と「含まない高脂肪食」を与えるグループに分類し、10週間にわたって体重の変化などを調査した。

与えたエサは脂肪45%、たんぱく質14%、炭水化物41%の人工飼料で、魚油入りのエサは、これに重量の1.2〜2.4%相当の魚油を混ぜている。

その結果、魚油を含むエサを摂取したマウスは、そうでないマウスに比べ褐色脂肪細胞が増加し、10週目で体重が平均4グラム少なく、体脂肪の蓄積も抑えられていた。

また、空腹時血糖値やインスリン値、代謝の調整をおこなうホルモン「レプチン」の値も、魚油をとったグループのほうが正常値に抑えられており、酸素消費量と体温は上昇していたという。

河田教授らは「魚介類を多く用いる日本食や地中海料理がなぜ健康によいのか、そのエビデンスの一端が明らかになった」とコメントしている。

研究結果は、英科学誌 Nature系列のオンライン科学誌「Scientific Reports」に、2015年12月17日掲載された。

参考論文
Fish oil intake induces UCP1 upregulation in brown and white adipose tissue via the sympathetic nervous system.
DOI: 10.1038/srep18013 PMID: 26673120

(Aging Style)