昨年11年にはA代表としてワールドカップ予選も戦った南野。五輪最終予選ではその決定力に期待が集まる。(C) SOCCER DIGEST

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 やはりこの男だった。リオ五輪最終予選を控え、開催地のカタール・ドーハで合宿中の手倉森ジャパンは1月6日にシリアとの対外試合を行なったが、合流して5日目の南野拓実が2ゴールと結果を残した。
 
 14年1月のチーム結成以降、公式戦20戦目にして初めての非公開試合。規制線を張り、警備員を配備した厳戒体制のスタジアムでA代表にも名を連ねる南野が違いを見せた。1点目は36分。4-4-2の右MFで先発すると、左MF中島翔哉からのグラウンダーの左クロスに左足で合わせてゴールに流し込んだ。「タイミング良く、うまく合わせられました」と本人は振り返る。
 
 そして1-1で迎えた70分には勝ち越し弾を決める。右SBの松原健の縦パスを受けて前を向くと、ペナルティエリアの外から左足でファーサイドのネットに突き刺した。
 
 同じ海外組のFW久保裕也ら現時点のベストメンバーが先発した試合で結果を出し「グループリーグ初戦(13日北朝鮮戦)に向けて競争しているなか、身体が動いた。同じく最終予選に出る相手に勝てたのは自信になったし、良い準備になった」と笑顔で話す。
 
 手倉森ジャパン合流は昨年3月のリオ五輪1次予選(マレーシア)以来約9か月ぶり。得点は、その初戦マカオ戦(7-0)以来だった。
 
 当時は所属のザルツブルクと決めた出場制限があり3試合中2試合しか出られなかった。その上、オーストリアとの最大30度もの気温差に苦しんだが「あの時とは全く違う。思った以上に動けた」と調整は順調。最終予選は制限なく全試合に出場できる。五輪出場へ明るい兆しが強まってきた。
 
ザルツブルクと日本協会が協議した結果、昨年末の沖縄・石垣島合宿には休養のため参加できなかった。年が明け、1月2日にU-23代表に合流したばかり。それでも軽々と結果を出した男には、得点力不足解消への期待が高まる。
 
A代表では、右サイドで不動の本田圭佑にレギュラー争いを挑んでいる。19歳でオーストリアに渡って2シーズン目。「向こうでは普段の練習から球際でバチバチ戦っているし、シュートもレンジに入れば全て自分が打つくらいの意識になった」。今季は公式戦23試合で10得点。前半戦を終えた時点で大台に乗せている。
 
 あとは連係面を詰めていくだけだ。シリアとの練習試合を終えた時点で初戦の北朝鮮戦まで1週間。
 
「合流して、みんなと会って、いよいよ始まる。そんな気持ちになってきた。とにかく連係を意識して合わせていきたい」
 
ぶっつけ本番のシリア戦で格の違いを見せた後、最終予選の目標を聞かれると即答した。
 
「得点でもアシストでもない。五輪出場だけです」
 
6大会連続の切符獲得へ「このチームに入って長くないんで、もっと良くなるように細かいところを修正していきたい」。昨年12月の中東遠征で2試合連続でスコアレスドローに終わった手倉森ジャパンが、南野合流というひとつのきっかけで劇的に変わろうとしている。