下流老人にならないために知っておきたい、 老後生活、退職金、介護、住宅、教育費、貯金など “間違ったお金の常識”6つとは?

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老後への備えと最も大きく関係しているのが現状の家庭の家族構成。独身なのか、夫婦なのかそして子どもがいるのかなどで対策は異なるがまずは、誰もが陥る間違った意識を早いうちに取り去ることが、下流老人にならないための第一歩。6つの間違いとは…。

思い込みこそ最大のリスク、
まずは自分の常識を疑うべし!

 老後生活や介護、住宅、教育費などは、備えが必要とわかっていても、真剣に考えにくい。だが、「なんとかなるだろう」とあいまいな考えのまま進み、後になって「しまった!」と思っても手遅れ。FPの畠中雅子さんは、リスクを見てみぬふりをしている人が多いと指摘する。

「リスクに強いかどうかは、稼ぎのあるなしとは無関係で、どれだけ自分のこととして考え、判断できるか。最もリスクに強いのは独身女性。判断を誰かに依存する習慣がない分、勉強熱心で行動力もあります。夫や子どもに判断をゆだねがちな専業主婦や、相手が考えているはずと、互いに依存している共稼ぎ夫婦は要注意ですね」(畠中さん)

 ファイナンシャル・リサーチ代表でFPの深野康彦さんも、この先起こりうるリスクをどこまで本気で考えるかが明暗を分けると忠告。

「長寿社会の現在、親の介護をどう乗り越えるかが重要です。仕事を減らさざるを得ない状況に、教育費や住宅ローンが重なると相当きつい。住む場所の選び方ひとつとっても、先を見越して考えられるかどうかで大きく違ってきます」(深野さん)

間違った「お金」意識1
「退職金があれば老後はなんとかなる」

 年金は先細りでも退職金がある。旅行や趣味を楽しむ余裕はあるだろう…。そんな期待すら今は危うい。総務省の「家計調査報告」によれば、高齢夫婦(無職)世帯の家計の平均収支(※)は、月約6万円の赤字。老後に夫婦で20年暮らすとその補てんだけで1500万円が必要になる計算だ。介護や医療などの費用も考えると、退職金だけではとても足りない。「これからは老後も格差社会。対策なしでは厳しい生活に」(深野さん)。

※総務省「家計調査報告」(平成26年資料)。夫65歳・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯平均収支参照

間違った「お金」意識2
「マイホームは早めに買ったほうがいい」

 年金で家賃を払うのは厳しいし、高齢者に住宅は貸してもらえない。持家なら、賃貸や売却でお金になる…、とマイホームありきで判断するのは疑問。例えば30代で新築の住宅を購入し、80代まで生きたとすると、物件は築約50年になっている。「収入がなくなってからのリフォームや建て替え費はきつい。これから人口が減っていく日本で、住宅需要が高まるとは考えにくく、途中で住み替えたくなっても売れないリスクも」(オフィスなでしこ・江原さとみさん)。マイホームが資産になるとは限らないのだ。

間違った「お金」意識3
「ぜいたくは浪費、とにかく貯金が第一」

 一見、堅実そうに見えるこの考えにも、実は落とし穴がある。お金を上手に使う術を知らないと、せっかく築き上げた資産も誤ってムダに使ってしまうことになるからだ。「投資の経験がほとんどないまま定年を迎え、退職金を増やそうと株に手を出し、大けがをする人が多くいます。お金を上手に使う・増やす練習をしておかないと、取り返しのつかないことになりかねない」(マイエフピー代表・横山光昭さん)。あえて無駄な支出をして失敗を学び、お金を使うスキルを磨くことも、貯蓄には必要と心得たい。

間違った「お金」意識4
「晩産の子育ては経済的に余裕がある」

 たしかに、経済的にゆとりが出てくる30代後半以降で子どもを産むと、若いころより教育にかけられるお金はある。だが、子どもの独立後、定年退職するまでの期間が短くなり、老後資金を貯める時間が限られる点に注意が必要だ。FPの畠中雅子さんは、末子を30代後半以降で産んだ夫婦の場合、教育費と老後資金は同時に貯めていく覚悟が必要と話す。「晩産ほど子どもにお金をかける傾向があり、教育費も青天井になりがち。気をつけないと老後資金がショートします」。

間違った「お金」意識5
「介護保険を使えば負担はさほどきつくない」

 介護サービスの利用料は、保険を使えば原則1割負担ですむ。なんとかなると、他人事のように感じている読者も多いだろう。だが、家計アイデア工房代表の柳澤美由紀さんによれば、介護のお金で相談にくる人は後を絶たないという。「在宅で介護できなくなると、施設に入れることに。ですが、安い施設はまず空きがなく入れません。先日相談にこられた女性も、認知症の夫を入れるのに、月額33万円もする施設しか空いておらず、弱り果てていました」。まだ先だからと、情報を集めずにいるといざというときに選択肢をなくす。そして、破綻へとつながってしまうのだ。

間違った「お金」意識6
「足りない教育費は奨学金を使うのがいい」

 文部科学省の資料によれば、大学の学費は文系私大で平均約480万円、理系で約650万円にものぼる。足りない分は自分で奨学金を借りさせたほうが、むしろ子どもも勉強に励んでいい…、という考えも一理ある。だが専門家たちはできるだけ親が出すよう口を揃える。「大学を卒業する頃に景気が悪いと定職につけない可能性も。そうなると親が肩代わりすることになり、老後に響きます」(深野さん)。奨学金の返済が多いと、子ども自身も貯蓄ができず婚期が遅れたり、結婚後も孫世代の教育費が貯められないなど負の連鎖を生む。安易に頼るのは避けるべきだろう。

 ところで、表紙が堀北真希さんの12月21日発売のダイヤモンド・ザイ2月号には、「まずは目標1000万円!老後のお金、教育費、住宅ローン、介護費などお金が貯まる人生設計術」の特集が載っている。独身男女、専業主婦家庭、共稼ぎ夫婦に分類してそれぞれの老後のお金や住宅ローンなどの対策術を7人のファイナンシャルプランナーが大公開&アドバイス。お金の対策は1日でも早く始めた人の勝ち。2016年からお金が貯まる生活にシフトするためにもダイヤモンド・ザイ2月号をぜひ読んでみてほしい。この号には、やらなきゃ損のふるさと納税の「特産品大賞2016」の別冊付録もついている。