2015年は低迷が続いた金価格だが、2016年はどのような展開を見せるのか。本来、金はインフレヘッジとして買われるもので、デフレから脱却できていない今の日本では出番がない。また、世界的なデフレ傾向の中で資産マネーが金相場に大量に流れ込むことも考えにくかった。

 しかし、2016年はこれまでと違って金価格は長期上昇のスパンに突入するという。金アナリストの豊島逸夫氏が今年の展開を次のように予測する。

「1〜3月は米利上げショックで1トロイオンス(約31.1グラム)当たり1100ドル割れとなるが、4月以降、緩やかな利上げの実態がわかってくるので価格は回復。夏にも上昇トレンドに転じ、年末に向けては1300ドル台まで視野に入る。この傾向は一過性でなく、少なくとも2020年まで続く長期トレンドになる可能性が高いと見ます」

 円安が続くとの見方が強いので、通貨安ヘッジとして金を所有する意味も大きい。さらに、「有事の金」といわれるように、戦争やテロなど地政学リスクが高まると金が買われる傾向がある。イスラム国によるテロの脅威が高まる今、金が高騰する局面も大いに考えられる。「黄金の国ジパング」の季節が近づいている。

※週刊ポスト2016年1月15・22日号