ベッドにペットは入れないで!?(shutterstock.com)

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 ペットと一緒に寝るのは悪いことではない――。従来の否定論を覆すような研究報告が掲載されたのは米国「Mayo Clinic Poceedings」誌の12月号。アリゾナ州の同クリニック睡眠医学センターのLois Krahn氏らが、成人男女150人(=74人が1匹以上のペット飼い主、うち34人が複数ペット組)を対象に、"ペットとの同衾(どうきん)"事情を調査した結論である。

 まず、飼い主らへの「ペットの存在が睡眠を妨害する(している)と考えているか?」との質問に「YES」と答えたのは15%(15人)のみ。同衾実行派の41%は、睡眠影響について「なんら問題はない」「むしろ有益である」と答え、「傍で眠ると安心する」「満足感が得られる」「寛げる」と具体的な効用点をあげて、分析上、実質賛成派の優位が読み取れたという。

飼い主のルール厳守が同衾条件

 Krahn氏らは「ペットを寝室に入れても、それで落ち着いて寝られるとは限らない。言うまでもなく優先すべきは安らかな安眠であって、ペットの傍にいたいという要求のほうではない」と前提条件を付しており、全面肯定の立場を表明したわけではない。

 しかし、「人とペットが一緒に上手く寝られるなら、それはとても素晴らしいことだ。睡眠は身体と心のリラックス状態に左右されるので、同衾の価値は無視できないだろう」とコメントしている。

 つまり、既に愛犬や愛猫らとの同衾スタイルが努力や経験則から確立できており、人獣相互の安眠効果に結びついているという人は、上記報告を継続の裏打ちになさればいい。問題はこの調査結果の上澄み(=肯定部分)だけをいいとこ取りして、「これで今晩から安心して○○ちゃんを夜具に入れて寝られるわ!!」と小躍りするような安直系の愛玩家だろう。

「人獣共通感染症(ZOONOSIS)」を知らずして飼うなかれ

 そんなお気楽ペット愛好派の方々はむしろ、従来の同衾否定派(あるいは条件次第派)の見解を、この機会にこそ熟読して、自分がそれらのなんとも面倒な規律をクリアできるかどうかを再検証なさるべきだろう。

 たとえば、われわれ人間と愛玩動物の双方が罹ってしまう病気、「人獣共通感染症(ZOONOSIS)」の名称ばかりか、それらの病気が日本では60〜80種も数えられる(うちペットから人間に移る病気は30種前後)という内容も把握しておきたい。

 一例を挙げれば、.撻好箸覆匹療狙病(米国の9歳少年がノミが寄生中の猫と添い寝してペストに感染)、猫引っかき病(cat-scratch disease: 米国では年間2万人以上が感染)、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌:犬との日常的添い寝でカリフォルニア州の40代主婦に感染)等のほか、サシガメという昆虫が媒介する「シャーガス病」、猫・犬関連だけでも「パスツレラ症」「Q熱」「エキノコックス症」と注意すべき感染症は数々ある。

 そんな人獣共通感染症の予備知識は大前提として、次に挙げるような適切で手抜きのない飼育方法を守られる方ならば決して「ペットと一緒に寝る事」を恐れる必要もないだろう。

.撻奪箸箸離スはNG
⊃佑肇撻奪箸凌器は別々に洗う
飼い主の箸利用や口移しは厳禁
ず浴はNG
ダ椰┐篳気僚萢後は石鹸で手を洗う
ζ以病院の定期検査を怠らない
糞の始末は小まめに

 これらはほんの一例。寝室に招いて同衾するためには、ペットの足腰を気遣ってベッドの高さを熟考し、飼い主就寝中の装飾品や鞄の中身の"誤飲"を事前に防ぎ、極度の甘えん坊ほど「しつけの崩れ」を警戒、と規律の敷居は高い。

 要は「愛情」と「同衾」は別のものと考えるべきではないか。最近は"ペット同居可"を謳う高齢者向け住宅サイトや、"布団で一緒に寝れます"が売りの全国のペット宿を紹介している旅行サイトも散見できる。しかし、日常の同衾生活で留守番不可や分離不安から吠えたり暴れたりのペットや、ゲージ不可やペットホテルNGの"我儘な愛息・愛娘"を生んでは逆効果だ。

 さて、ペットと一緒に寝るか、それとも夜は離れ離れか!? あなたの決断はどちらだろう。
(文=編集部)