昨年の国内女子ツアーの優勝者の活躍を振り返り、強さの要因を探る“Playback LPGATour2015”。第16回目は昨季『マンシングウェアレディース東海クラシック』で日本ツアー初優勝を挙げたキム・ハヌル(韓国)。過去に2度韓国ツアーの賞金女王に輝いた美人プロのスイングの特徴とは?
【解説】キム・ハヌルの超捻転一軸スイング連続写真
 母国で数々の実績を引き下げ、昨シーズン鳴り物入りで日本ツアーに参戦したハヌル。しかし、シーズン序盤はゴルフ、日本での生活の両方で大いに苦しんだ。
 それでもシーズンも半ばに差し掛かったころ、スポット参戦した韓国の大会で「ティショットの正確性が上がった」と手応えを掴んだことに加え、日本に慣れてきてゴルフ以外の部分でのストレスが軽減されたことでようやく覚醒。9月に行われた自身がウェア契約を結ぶ株式会社デサントが主催の大会で、ホステス優勝を成し遂げた。
 ツアープロコーチの辻村明志氏はハヌルのスイングを「頭が全く動かない、超捻転一軸タイプ」と表現する。「一軸であるということは、体が非常に強い証拠であり、一軸・ベタ足は韓国選手に共通してみられる点でもある。アマチュアの方に勘違いしてほしくないのは、ベタ足は足の動きを止めることではなく地面を掴んだ状態でエネルギーを発していく安定の中の強さであるということ(辻村)」
 「軸というものは、動かないようにすることが目的ではなく、動きの中で生み出すもの」であり、「悪い例としては、軸を作ろうとして動きが小さくなることがある」。そんなアマチュアには「足の裏から木の根っこが生えて地面をしっかりと掴んでいるイメージで練習すると良い」と力説する。
 加えて、辻村氏はハヌルのパッティングも高く評価。「彼女はパッティングも非常に上手く、体力をしっかりと使えているストロークに見える。少しのブレが命取りとなる小さな動きにこそ体力が必要で、手先にこだわったストロークでは安定感のないパッティングとなります」。開幕からしばらくは毎試合のようにパターを替えるなどグリーン上でかなり苦しんだが、元々はパットの名手。復調してからは一定のストロークでバーディを量産した。
 「一年間日本のツアーを戦い、すべてのコースを把握したことにより今年の彼女はさらに脅威。複数回優勝を狙える選手の一人だと思う」。日本ツアーに順応して迎える2年目のシーズン、今年は何度“スマイル・クイーン”の笑顔を見ることができるだろうか。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチ、キャディとして上田桃子、濱美咲らを指導。今季は上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。

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