「おいしい!」は“うま味ポイント”で決まる! 「おいしさ指数」計算法を料理家が解説

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長男のアレルギーをきっかけに料理を始め、オーガニック食品による無添加手作りを実践している料理家の宮川順子さん。著書『料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由』から、“うま味ポイント”で料理のおいしさを測る「順子式おいしさ指数」をご紹介します。

「100%無添加」料理は意外に簡単!? ド根性母ちゃんに学ぶ“手作り”の考え方

順子式おいしさ指数

人間がおいしいと感じるうえで、もっとも重要なポイントがうま味。
その料理にうま味がどれくらい含まれているか、それを測る目安が「順子式おいしさ指数」です。

うま味ポイントでおいしさを測る

人が「おいしい!」と感じるのは、本能的・栄養的な理由から、基本の5味(うま味・塩味・苦味・酸味・甘味)が、ある法則で設計されると、味覚が脳にある「おいしいスイッチ」を入れるからです。

なかでも、おいしさを左右する一番の要素は《うま味》です。そこで、《うま味》をポイントで表し、料理のおいしさをうま味の足し算で見える化しました。これが「順子式おいしさ指数」です。

これは、食材のおいしさをうま味ポイントであらわし、それを足し算することで料理の「おいしさ指数」を出します。おいしさ指数を検証することで、試作なしで料理のおいしさをほぼ予測できますので、失敗のリスクを回避することができます。

最低6〜7ポイント、8ポイントが「おいしい」の目安となります。また、できれば12〜13ポイントにすると、プロのような料理になります。13ポイント以上は家庭料理としてはしつこくなるので注意が必要です。
※肉の塩、こしょうや魚の塩焼きなどの計算は不要。

各食材の「うま味ポイント」

メイン食材

■5ポイントの食材

・肉
・魚
・貝
※ブランド食材などは6ポイントで計算します。

サブ食材

・だし:1ポイント
※かつおだし、昆布だし、鶏ガラだしなど。2種類以上使うときは3ポイント

2ポイントの食材

・トマト、玉ねぎ、アスパラガス、白菜などの甘味の強い野菜(旬の時期)
・きのこ類(ただしエリンギは1ポイント)、チーズ、
・海苔、ひじき、わかめなどの海藻

1.5ポイントの食材

上記以外の旬の時期の野菜、ナッツ類、大豆製品(豆腐、湯葉、豆乳)

1〜1.5ポイントの食材

ごま、牛乳、生クリーム

1ポイントの食材

唐辛子などのスパイス、炭水化物(ご飯、パン、麺類)

0.5〜1ポイントの食材

同じ野菜でも促成栽培のものや、季節外れのハウスもの

発酵食品系調味料(味噌、醤油、みりん、酒、酢)のうま味ポイント

・長期熟成、本醸造品:1.5ポイント
(長期熟成樽仕込み醤油+本仕込みみりん=3ポイント)

・促成系:0.5ポイント
(一般的醤油+みりん風調味料=1ポイント)

・マスタード、アンチョビ:1.5ポイント

・複合調味料(ソース、ケチャップ、醤系):1.5ポイント

うま味ではないが、うま味を増幅させる食材

・風味のある一番搾りオイル、バター:1ポイント

冬にぴったりの献立「白菜のたいたん」をもとに、実際に計算してみましょう

材料(3〜4人分)

・白菜…半個(ミニ白菜なら1個)
・ごま油…大さじ2
A:日本酒…50ml、水…50ml
B:薄口醤油…大さじ2〜3、塩…少々
C:花かつお…適量、すりごま…適量

作り方 

1. 白菜は白いところと葉に分け、白いほうは4〜5cm長さのそぎ切りに、葉は6〜7cm長さに切る。

2. 深めのフライパン(または大きめの鍋)を温めてごま油を入れ、白い部分を入れてさっくりかき混ぜ、全体にごま油をなじませる。

3. Aを加えてふたをし、極弱火に落として15分ほど度煮る。

4. ふたを取って葉を加え、一混ぜしたらBを加えて味を調え、器に盛ってCをふる。

■Point

白菜を切ってゆっくりと蒸し煮にするだけで、信じられないほどの甘味とうま味が! だしなし、手間なしの、奇跡のおばんざい! しょうがや豚肉を加えるとメイン料理にもなります。

「白菜のたいたん」のおいしさ指数を計算すると…

白菜2ポイント+ごま油1ポイント+調味料(長期熟成淡口醤油+本醸造日本酒)3ポイント+かつおぶし1ポイント+すりごま1.5ポイント
=8.5ポイント

■※白菜が旬の時期のものではなく、調味料も長期熟成品を使わないと…

白菜1.5ポイント+ごま油1ポイント+調味料(促成系うす口醤油+促成系料理酒)1ポイント+かつおぶし1ポイント+すりごま1ポイント
=5.5ポイント
※うま味指数が足りず、おいしいと感じられません!

※うま味指数は厳密なものではありません。だいたいの目安として考えてください。

料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由

子どもを守るために、バブルOLがド根性母ちゃんへ変身!
人気料理家・宮川順子の涙と笑いの15年レシピエッセイ。

料理を楽しむコツがたくさん詰まった、ずっと持ち続けていたい一冊です。

<コンテンツ>
・家庭料理の一番のコツは「頑張らない」
・調理は「煮る」と「焼く」ができればいい
・食材の「旬」と「産地」を考える
・料理は献立が8割、「おいしい」は2割
・汁物は毎日3回あっていい
・毎食手作りのタイムマネジメント
…etc.