全国の高校生バレーボール選手たちの憧れの大会である、「春高」こと全日本バレーボール高等学校選手権大会が5日開幕する。

 2020年東京五輪での活躍が期待される有望選手を集中的に強化する「Team CORE」に選ばれた選手も出場するこの大会。優勝争いとともに、将来を嘱望されている彼らがどんな活躍を見せてくれるのかも大いに気になるところだ。

 女子で最も期待されているのは、2015年夏にワールドグランプリ埼玉大会で華々しく全日本シニアデビューを果たした宮部藍梨(2年)。イタリア戦で途中出場し、チーム2位の18得点をたたき出した。身長182cm、最高到達点309cmという次世代の全日本を背負うエースだ。

 しかし、所属する金蘭会高校は昨年度インターハイ、国体、春高と3冠を成し遂げながら、今年度はインターハイでまさかの2回戦敗退、国体が3位とまだ全国のタイトルが獲れていない。夏以降、ずっと腰痛に苦しんでいる宮部不在の影響が如実に出ている。11月の段階では池条義則監督が「今は(腰の)調子が悪く、春高までには何とかなるといいのですが」と語っていたが、宮部は12月下旬に行なわれた皇后杯ではVプレミアリーグ・岡山シーガルズ戦に出場。約4ヶ月ぶりにコートに立つと、岡山相手にスパイクも決め、復活の手応えをつかんだ。

 金蘭会は今回の春高で第1シードだが、順当に行けば初戦となる2回戦で、過去に2度3冠に輝き、女子史上最長の春高5連覇を成し遂げた名門・東九州龍谷高校と対戦する。大会の前半は宮部を休ませたいところだったが、皇后杯でV・チャレンジリーグIの柏を破った東龍を下して勝ち進むには、おそらく彼女の力が必要となってくるだろう。大会序盤からいきなりヤマ場を迎えることになる。東龍にもTeam COREのメンバーである吉岡美晴選手が所属しており、エース対決も見どころになるだろう。

 もう1人、Team COREに選ばれている下北沢成徳高校の2年生、黒後愛もこの大会での飛躍が期待される。下北沢成徳は木村沙織、荒木絵里香、大山加奈といった全日本主力メンバーを輩出する名門校。小川良樹監督は高校のうちから型にはめることなく、将来の成長を考えての指導で知られている。黒後も180cmの長身を活かしオープントスを軽々と打ちこなすなど、スケールが大きく、攻守のバランスに優れた2年生エースだ。

 夏のインターハイはケガの影響で全国大会に出場することができず涙に暮れたが、春高予選では本来のプレーを取り戻し、本大会出場を決めた。次世代の全日本のウィングスパイカーとして、大舞台での勝負どころを決めきる力をつけてほしい。

 一方、男子の注目度トップは秋田・雄物川(おものがわ)高校の203cmのウィングスパイカー、鈴木祐貴(3年)だ。彼もTeam COREの一員で、今年度は全日本シニアにも登録されたが、国体前に肩を痛め、ボールに触れない時期もあった。

 昨年の春高はまさかの初戦敗退で終わったが、大会参加選手中一番の高身長を生かし、リベンジを果たしたいところだ。雄物川の監督は北京五輪出場の宇佐美大輔氏。「鈴木をエースとして育て上げたい」という監督の期待に応えてほしい。

 昨年3冠を達成した東福岡高校のエースアタッカー、金子聖輝(まさき)も「Team CORE」のメンバー。彼は高校卒業後、大学に進学せず、Vリーグチームへの入団を決めているが、そこでのポジションはTeam COREで務めているセッター。つまり、今回の春高は金子のアタッカーとしての最後の大会になる。昨年MVPを獲得した彼が今大会でも輝けるか、しっかり見届けたい。

 春高バレーは1月5日〜10日、東京体育館で行なわれる。

中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari