日本株への期待が高まっている。外国人投資家の関心も高く、日銀の追加緩和への期待もある。また何より2016年は「選挙の年」であることが明るい展望をもたらす。

 7月には参院選が予定されているが、場合によっては衆参ダブル選挙となる可能性も浮上している。カブ知恵代表の藤井英敏氏が解説する。

「いずれにしても与党が勝つためには景気を後退させるわけにはいかず、景気対策の名の下、補正予算をはじめさまざまな選挙対策を打ち出すのは必至。アクセルを踏み込んでいるうちは株式市場にとってもプラスです」

 グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏は米国にも目を向ける。

「米大統領選挙もあって、日米で票稼ぎのための景気対策が打ち出される。米国株の好調がさらに日本株の追い風になると見て間違いないでしょう」

 他にも、日本株を取り巻く好材料が目白押しだ。株式評論家の植木靖男氏は、いよいよ本格化するTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が日本の構造改革を促すと期待を寄せる。

「TPPによって、今まであまりにも非効率的で日本経済を蝕んできたともいえる農業の生産性が劇的に改善される可能性が高まっています。それによって日本の農業の輸出の伸びも期待でき、日本経済にとって大きなプラスです」

 他にも、日経CNBCコメンテーターを務める平野憲一氏(ケイ・アセット代表)は「新国立競技場の設計案が決まり、やや下火になっていたオリンピックムードも再び高まった。リニア中央新幹線の工事も本格化する」など、景気の盛り上がり要因を挙げる。

 また、2017年4月の消費増税を控え、「10%への引き上げを何としても実施させるために、追加緩和や財政出動などあらゆる政策を打ってくるのは間違いない」と平野氏はいう。

 それに伴って「2016年後半からは増税前の駆け込み需要が効いてくる」(戸松氏)ため、まさに「奇跡」のような経済状況が続くというのだ。

 ただし、過去の消費税引き上げ後がそうであったように、駆け込み需要の反動減など消費増税が景気の腰折れにつながり、市場にとっても大きな向かい風となる。だからこそ今年は「ラストチャンス」なのだ。さらに、戸松氏はこんな見方をする。

「米大統領選の前年から当年にかけては株価に優しい政策を打ち出しますが、選挙後の1〜2年はその反動に加え、痛みを伴う改革などが実施される傾向が強いため、株価は下げやすくなります」

 藤井氏が指摘するように、株価は半年から1年先の映し鏡といわれる。2017年4月の消費増税から逆算すると、遅くとも2016年秋には日本株が変調をきたす可能性がある。しかし、見方を変えれば、それまでは株価が上昇を続ける可能性が高く、「2016年が稼ぎ場であるのは間違いない」と平野氏は断言する。

※週刊ポスト2016年1月15・22日号