10日も高熱が続いたと報告(小林香菜さんのオフィシャルブログより)

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 10日くらいずっと39.4とか高熱が続いてて、今日大きい病院行ったら壊死性リンパ節炎と判断されました〉。12月28日投稿のツイートで自ら体調不良の診断結果をそう明かしたのは、AKB48の小林香菜さん(24)。

 "壊"とか"死"の漢字を含む耳慣れない病名から「大丈夫なのか!?」と、その後の容態を気遣う方も少なくないだろう。

 〈治るのに一ヶ月、二ヶ月かかるみたい。10日も高熱続いてたし、首の横にしこりがあったからとても不安だったけど、ちゃんと検査してもらえてよかった〉。

原因不明の奇病の名は「菊池病」

 小林さん自身の報告からも典型的な病状が読み取れる「壊死性リンパ節炎」は1972年、福岡大学の菊池昌弘教授が発見。「菊池病」「Kikuchi's disease」とも呼ばれる比較的新しい病例だ。

 亜急性壊死性リンパ節炎、あるいは組織球性壊死性リンパ節炎(histiocytic necrotizing lymphadenitis)とも称される。「川崎病」「橋本病」と同じく、「菊池病」と日本人名を冠して確立されてからも30年足らず。

 なぜか東洋人に多く見られ、白人や黒人には稀な症例で、未だ原因不明の奇病とされている。小林さんも〈人には移らないみたいです。ただ辛い〉と綴っている。放置していても、自然に治癒するケースも多いそうだ。

 主な症状は(38度以上が1週間などの)発熱とリンパ節の腫れ。皮膚の発疹が伴う場合もあり、4〜75歳と幅広い年代が見舞われる。男女比では1:2、なかでも20代・30代の女性たちが多いという。

 リンパが腫れる部位では、(小林さんも書いているように)「頸部」が圧倒的に多く、次いで脇の下のリンパ節。「全身表在リンパ節膨張」の比率は約5%との報告もある。無治療では1カ月前後も熱が下がらない例も見られるが、発疹は一過性だ。

 だが、原因不明の稀な病気であることから診断が下るまでに時間を要し、医療従事者の認識不足から治療が長引くことも少なくない。通常は抗生剤も無効で、壊死性リンパ節炎自体への治療法は確立されていない。発熱や頸部痛に対しては非ステロイド系鎮痛解熱剤を投与、強いリンパ節痛や高熱が続く際にはステロイド剤の内服を施す程度の対症療法しかないのだ。

森下千里さんも「死にそうな名前」に驚愕

 今回の小林さんの報告から遡ることおよそ1年前、2015年1月28日付の自己ブログで同じ病気を告白したのがタレントの森下千里さん(34)だ。耳慣れない奇病を告げられた際の印象について、森下さんは〈死にそうな名前に、ぎょ!!〉と率直に綴っていた。

 それまでの経過を読むと、「菊池病」特有の厄介ぶりがよく分かる。彼女も微熱と首の腫れで当初は内科を訪れたが、"原因不明"......。改めて耳鼻科を受診して、亜急性壊死性リンパ節炎と診断されたという。

 森下さんも〈病気の内容を聞いたら、安心したのか元気が出てきて、腫れも収まってきたの〉と小林さんと異口同音の実感を書いていた。

痛いけど我慢するしかない

 興味深いのが診断後の医師との会話だ。治療方法が未だ確立されていない事実も懇切丁寧に説明されたのを受けて森下さんが「...じゃあ、痛いけど我慢するしかないですね!?」と気丈に問うと、医師側は「そうですね」と一言。彼女の表現を借りれば、診察は〈シンプルに終了〉したそうだ。

 亜急性リンパ節炎の原因には、ウイルス説やアレルギー説、あるいは局所の異常免疫反応説など諸説が唱えられている。また、思わしくない難治や遷延の症例には(細菌やウイルスなどの感染症を予防・治療する目的で、ヒトの血液から取り出された抗体の)免疫グロブリン製剤が有効とする報告もある。

 だが、適切な薬や治療法もなく"耐える"しかない現況下、AKB48の24歳が呟く〈辛い〉の告白はやはり痛々しい。ファンならずとも一日も早い治癒を祈る。
(文=編集部)