箱根駅伝で「あと数秒」のところで繰り上げスタートとなったチームのために、その1秒を削り出す秘策を伝授するの巻。
その1秒を削り出せ!

今年も年始恒例のダラダラ観戦行事・箱根駅伝が終了しました。今年は往路復路全区間で青山学院大が1位通過するという完全無欠優勝で決着。勝負としては面白味に欠ける結果となりましたが、若き学生たちが箱根路を駆ける姿には、ダラダラ寝ていられる自分の幸せというものをじんわりと感じることができました。ボーッとうたた寝していても、おおよその展開がわかる辺りも最高に正月向きなコンテンツですね。

さて、箱根駅伝の大きな見どころのひとつが繰り上げスタート。タスキをつないできた選手が、あと数秒のところで繰り上げスタートしていく同胞の姿を無念の想いで見送る場面は、中継で大きく採り上げられる注目ポイントでもあります。今年は復路10区のつなぎで、神奈川大学が「あと数秒」というところで無念の繰り上げスタートを喰らい、タスキをつなぐことができませんでした。

鶴見中継所の長い直線が、「見えているんだけど届かない」という悲哀を加速させ、走る選手の無念さと、スタートを切る選手の断腸の想いをつぶさにする。世間には「残酷ショー」的な見方もあるのかもしれませんが、どうやったってスポーツはどこかで残酷なのです。勝負があり、時間切れがあるのですから。ここで1秒待てば、やがて10分待つことになり運営にも支障をきたします。惜しかっただけで、仕方がないことなのです。

それに正直、ギリでつなぐよりは、ギリでつなげないほうが思い出には残ります。それを心の傷と捕らえるか、忘れ得ぬ青春の日と捕らえるかは選手たちの心持ち次第。悲劇を笑い話にして、何年のちにも語り合えるような仲間と出会えたかどうか。多くの選手にとって大学で終わる陸上人生の真価をはかるひとつの試金石とさえ言えるでしょう。大切なのはこの悔しさをどう活かすか。来年に向けて自分を追い込むための理由ができたと思えば、繰り上げもプラスに転じるはず。その悔しさを大いに楽しんでもらいたいものです。

しかし、どうしても繰り上げは嫌だ、特にあと数秒みたいなのは嫌だ、そうお思いの向きもあるでしょう。「1分届かないならチーム全体の責任だが1秒届かないのは俺のせいみたいで嫌だ」という気持ちは誰にでもあります。「1秒ならダメ元でジャンプしろ」「全体ビデオ検証してサボってるポイント探そーぜ」「手が短い」とかの嫌味は出てきてもおかしくない。僕がチームメイトなら3つ全部言いますからね。

わかりました、授けましょう。その1秒を削り出す策を。この策を活用すれば、今より1秒か2秒くらい速くなるんじゃないかという、僕がかねがね温めていた秘策があるのです。これはほかの競技でも活かすチャンスがある発想ですので、ぜひ他競技のみなさんにも参考にしていただきたいもの。その1秒が最後に勝負をわけるかもしれませんからね。

ということで、無念の繰り上げスタートを回避できるかもしれない、1秒を削り出す秘策についてご紹介していきましょう。


◆自転車ロードレースでは古典的だが陸上にはない発想を持ち込め!


みなさんは給水という行為について、どれぐらい細部を詰めているでしょうか。ボトルが置いてあって、ヒモがついてて、日本の旗が立ってたりする。そんな感じでしょうか。マラソン競技などでは、テーブルにボトルが置いてあり自分でキャッチする仕組みですので、まぁ「ヒモ」が最大の工夫といったところでしょうか。

しかし、すべての競技がテーブルに置いてあるわけではありません。たとえば箱根駅伝。こちらは「各区間の定点にある給水場所で、給水員が手渡す」という方式で行なわれています。かつては伴走する運営管理車から手渡されるような時代もありましたが、年度によってルールの改定なども行なわれ、現在は定点給水員の仕組みとなっています。

このあたりは関東学生陸上競技連盟が定める、東京箱根間往復大学駅伝競走の各内規に定められています。ルールというか内規なんですね。細かく読むと、給水員が伴走できる距離は50メートル以内とか、水とスポーツドリンクを両方持って伴走することとか、基本的に給水は各区間2回だけれど1区と6区は給水ナシで5区だけ給水が3回あるとか、言われてみればよく知らないこともたくさん書いてあります。

↓関東学生陸上競技連盟が定める箱根駅伝の各内規は結構いろいろあるぞ!

●競技実施要項
・食い物を持つな、車道の左側を走れ、たすきは斜めにかけろなどの諸注意
http://www.kgrr.org/event/2015/kgrr/92hakone_ekiden/92_race_guideline.pdf

●給水要項
・水とスポドリ両方持て、給水員はビブスつけろ、などの諸注意
・どのバス亭の前を給水所とするかの指示
http://www.kgrr.org/event/2015/kgrr/92hakone_ekiden/92_kyusuui.pdf

●応援実施要項
・電柱やガードレールに横断幕をくくると道交法違反だよ、一般客に小旗を配布するの禁止だよ、などの諸注意
・校名出せるのはスタート地点とフィニッシュ地点、中継所の前後100メートルまでだよ、という決まり
http://www.kgrr.org/event/2015/kgrr/92hakone_ekiden/92_cheering_guideline.pdf

日テレでは教えてくれない内規がココにある!

また、4区と5区の距離を変更するぞ、という重要なお知らせが関東学生陸上競技連盟のサイトにシレッと載っていることも!

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感想(1件)



さて、今回注目するのは給水ポイントです。給水員が手渡すとき、みなさんはどんな感じで渡すのをイメージされますでしょうか。近づいていって、恋人同士のドリンク手渡しみたいにポン、でしょうか。実際問題、給水員はそんな感じで渡していますので、大きな問題はないのでしょう。

しかし、それは本当に1秒を削り出す渡し方でしょうか。たとえば足元に投げ捨てて渡せば、拾うので1秒くらいロスしますよね。ロスはなるべく減らして、できればゲインしたいですよね。恋人渡しはロスはないでしょうが、ゲインはあるでしょうか。

そこでご覧いただきたいのがロードレースの給水。ロードレースは自転車が高速で走りますので、走って追いつくことはできません。そこで給水も伴走するチームカーから行なうのですが、その手渡し方にはひとつの作法があります。百聞は一見にしかずで、まずはご覧いただきますと…

↓伴走するクルマが近づく⇒ボトルを差し出す⇒握る⇒ためる⇒取る!このタメがロードレースの作法!(1分25秒頃から)


別にボトルが取りにくいわけじゃないぞ!

タメてるんだ!

↓よりわかりやすくタメているところを、クルマの中からの視点で確認するぞ!(1分40秒頃から)


チカラいっぱいタメてぇ!離す!

その瞬間、自転車は急加速する!

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一応、建前上は「ボトルをじっくり握っているんです」ということなのですが、何故か自転車はちょっと加速していく。何でだろう?何でかな?よくわからないけれど、選手はなかなかブツを受け取らず、チームカーもなかなかブツを離さない。「自転車が原チャリにつかまってるヤツだ!」などの察しのいい方もいるかもしれませんが、この給水は大いに参考になるはず。

受け取り方ひとつとっても、後ろから迫ってくるボトルを手の平で受け止める感じですよね。間違っても、前にあるボトルを追いかけてキャッチしたりはしない。後ろからくるボトルを、手の平で、受け止める。これは駅伝でもできるんじゃないですか。恋人渡しではなく、ボトルを手の平に押しつける渡し方が。

同様にタスキも、なるべくならピンと張って、後ろから次走者の手の平に押しつけるフォームのほうがいいはず。スタート時のタスキ押しつけ、給水2ヶ所での給水押しつけ、合計3ヶ所でマリオカートのキノコみたいなのを使えば、1秒を削り出すこともできるのではないか。

こういう発想を持つと、競泳のリレーでタッチをしたあと、前泳者がバタ足で水中に波を立てたりすると、ちょっと次泳者が速くなったりするかもしれないという気づきも生まれるのではないでしょうか。試したことはないですが、やってみる価値はある。1秒を削り出すとはこういうことだと思うのです。

「なるほど、ちっちゃいインチキを重ねるってことですね!」という身も蓋もないまとめではなく、本当にすべてのポイントでゲインを最大化することを考えているのか。ひとつの可能性としての「押しつける」を検討することは、ほかの場面での発見にもつながるのではないかと思うのです。そうやって発想を広げていくと、最後の勝負がギリギリのとき「味方走者を監督車が猛加速で跳ね飛ばしたら勝つかも?」とか、新しい秘策も出てくるかもしれませんしね。

↓なお、やりすぎると自転車でも失格になるので、あまり欲はかかないようにお願いします!


先頭に出た水色の選手はアクシデントで遅れており、ようやく追い上げてきたところ

集団を抜き去り、さらに前を追う姿勢

スーッと横に近づいてきたのはチームカー

水色の選手はチームカーに手を伸ばす

クルマと一緒にグングン後続集団を引き離していく水色

一同:「オイ待て!クルマ掴んでるだろ!」

水色失格

これはインチキの巣窟・自転車界でもさすがに見逃してくれんわwww

これでいいなら実質カーレースじゃんwww

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手助けではなく、たまたま押しを受け止めるという気持ち!