死亡リスクは下がるが認知機能にはダメージも?

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デンマーク、コペンハーゲン大学の研究者らは、1日2〜3ユニットの飲酒をしているアルツハイマー病患者は、死亡リスクが低下しているとする驚きの研究結果を発表した。

「ユニット」は欧米の酒類の単位のひとつ。アルコール度数によってユニットは異なり、ビール1缶(約440ミリリットル)やグラス1杯(約175ミリリットル)のワインがそれぞれ2ユニット、大グラス1杯(約250ミリリットル)のワイン、度数6%以上の酒類約440ミリリットルが3ユニットに相当する。

これまでの研究で、適度な飲酒は心血管疾患の死亡リスクを低下させることがわかっているが、アルコールが脳細胞を損傷するため、認知症やアルツハイマー病には飲酒は有害であるとされてきた。

研究者らは、アルツハイマー病患者でも飲酒による死亡リスク低下効果が得られるかを確認するため、デンマークで実施された、アルツハイマー病の患者とその家族に対する支援の有効性を評価した「DAISY(Danish Alzheimer Intervention Study)」という調査を利用。調査項目の中から、アルコール摂取量のデータを抽出し、321人の参加者の死亡率との関係を3年間追跡調査した。

その結果、1日の飲酒量が2〜3ユニットの人は、1日1ユニット以下の人(まったく飲酒しない人を含む)よりも死亡リスクが77%低下していた。しかし、3ユニット以上飲酒していると、死亡リスクの低下は見られなかった。

生活習慣の違いや年齢、既往歴などの条件を調整しても、リスクの低下は変わらなかったという。

研究者らは「アルツハイマー病患者でも飲酒の効果があることを示唆している」としつつ、有害であることも事実であり、飲酒をすすめるものではないとコメントしている。

発表はオープンアクセスの英国医師会誌「BMJ Opne」に、2015年12月11日掲載された。

参考文献
Alcohol consumption and mortality in patients with mild Alzheimer's disease: a prospective cohort study
DOI: 10.1136/bmjopen-2015-007851 PMID: 26656463

(Aging Style)