年の初めに読みたい!心の洗濯ができる3冊をブックコンシェルジュがセレクト

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2016年がスタートしたタイミングで、気持ちも新たに仕事に挑みたいところ。そのためには休日のうちに読書に没頭して、心をリフレッシュするのがおすすめ。

そこで、「明正堂 アトレ上野店」の副店長・櫻井邦彦さんに、心の洗濯ができる3冊を選んでもらった。いずれの書籍も忘れがちな“大事なもの”を思い出させてくれるとか。たっぷり読書を楽しんで、フレッシュな気持ちで新たな1年を始めよう。◆変わらぬ日常の大切さを教えてくれる『えがおのゆくえ 〜Maru in Michigan〜』


国際結婚を機に米国・ミシガン州に移住した著者が、柴犬のマルとの生活を綴ったブログをまとめたフォトエッセイ。本書は、4歳になった息子、一茶くんとマルが米国の豊かな自然の中で遊んだり、笑顔を見せたりする様子を写した大人気シリーズの3作目。季節感たっぷりの美しい写真を眺めるだけでも、心が癒されるはず。

「著者のジョンソン祥子さんが素敵な写真と優しい文章で、柴犬マルと一茶くんの成長を記している本シリーズは、家族という大切な存在について考えさせてくれます。また、年を経ても、境遇に変化があっても、いつも著者のそばにいるマルの姿に、変わらぬ愛情という言葉が思い浮かんでくる1冊です」(同)

『えがおのゆくえ 〜Maru in Michigan〜』ジョンソン祥子著/新潮社/1512円

◆大人になることについて今一度、考えさせられる『95(キュウゴー)』


2015年の年末、37歳の秋久に母校の女子高生から、連絡が入る。彼女は卒業制作のテーマとして「1995年」について調べているという。秋久は渋谷で過ごした17歳当時のことを振り返って、彼女に語り出し…。ルーズソックスやポケベルなど、1990年代の雰囲気を追体験できる青春エンタテイメントで、特に30代の読者におすすめとか。

「青春時代の熱い気持ちを思い出せるとともに、昔はよかった…ではなく、夢を見ていた未来とは違っていたとしても、過去よりも「今」を見つめてがんばろう、と前向きになれる小説です」(同)

『95(キュウゴー)』早見和真著/KADOKAWA/1728円

◆悲恋に涙してすっきりする『僕は何度でもきみに初めての恋をする。』


気分を切り替える読書といえば恋愛小説、という人は、『僕は何度でもきみに初めての恋をする。』を選んで。物語の主人公は、両親の不仲に悩む高校1年生のセイ。ある日公園で、写真を撮る少年、ハナに出会い、2人は次第に仲を深めていく。でも、実はハナは中学時代の事故で1日しか記憶が持たない障害を抱えていて…。高校生同士のピュアな悲恋に涙が止まらない。

「記憶をなくしても強い気持ちを持っているからこそ、ハナはセイのことを思い出すことができる。そんな2人の強い絆に、恋愛に対する背筋を正される気分になるかもしれません」(同)

『僕は何度でもきみに初めての恋をする。』沖田円著/スターツ出版文庫/637円