ゴルフは“とりわけ危険”!? miya227/PIXTA(ピクスタ)

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 昨年12月29日夜に飛び込んできた、落語家・笑福亭笑瓶さん(59)の緊急搬送報。同日午前中に千葉県内のゴルフ場でプレー中だった笑瓶さんが突然体調不良(=心臓の痛み)を訴えたため、同行のタレント・神無月さん(50)が大事をとってドクターヘリを呼んだ。

 君津市内の病院にそのまま入院したが、所属事務所によれば笑瓶さんの意識ははっきりしており、会話も正常だという。検査結果の出る年始までは、同院で静養するそうだ。

 笑瓶さんは特に持病もないらしいが、〈ゴルフ〉〈心臓の痛み〉〈搬送〉などの言葉を聞いて2014年5月、ゴルフ練習中に倒れた日本相撲協会第11代理事長・放駒親方(享年66)の急逝報を連想された同好の士も多いのではなかろうか。

 死因は「冠状動脈硬化症」とも呼ばれる「虚血性心疾患」。親方は30年来の糖尿病持ちだったというが、当時の報道を括ると「まったく体調は悪くなかったのに...」と突然死に戸惑う愛弟子の証言が目を引く。

ゴルフ死率はランナーズの約8倍!?

 これこそ虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)の怖い点で、高血圧や高脂血症、糖尿病や高尿酸血症などの持病、あるいは喫煙・肥満・ストレスなどの生活習慣(病)が危険因子として大いに関係している。

 なかでも高血圧・高脂血症・喫煙は心筋梗塞の3大危険因子だ。該当0との発症比は、該当1で2倍強、該当2で約5倍、該当3ならば10倍強のリスクを伴うという調査結果もある(ちなみに心臓病は、日本人の最近の死因第2位)。

 また、中野区医師会の情報誌が載せた「ゴルフと突然死」(2011年9月)と題する文章によれば、突然死発生数を年齢別(=スポーツ種目別)で見ると"40歳未満"ではランニングが最多。

 次いで水泳・サッカー・野球の順だが、"40歳以上"では圧倒的にゴルフの突然死が占めており、"60歳以上"では「ランニング中の危険率の8倍近く」との衝撃的な結果に。

 ゴルフ人口の中心層は35〜65歳と巷間よくいわれる。だが、なぜ40歳以上で突然死発生率が際立つのか?

 残業続きの帰途につい一杯、終電後まで深酒しての早朝起き、接待ゴルフの気遣いで安息度ゼロなど、絵に描いたような働き盛り世代のゴルフ事情が容易に思い浮かべられる。では、そもそもゴルフが"とりわけ危険"なのか!? 

ゴルフは気軽で適量な運動か!?

 種目別の運度強度を示す数値(=メッツ指数)を女子栄養大学出版部刊『食品成分表2015資料編』で確認すると、188m/分のランニング(メッツ指数:11.0)、▲汽奪ー(同7.0)、ハードな筋トレやゆっくり目のジョギング(同6.0)、ぬ邉(同5.0)、ゥラブを担いで速歩気味のゴルフ(同4.3)、β邉紊筌薀献体操(同4.3)、Х擇ざ撻肇譴篌螳きカート利用のゴルフ(同3.5)...以下略。

 イ鉢Г隆屬"ラジオ体操"が割り込む程度の運動量なのになぜ!?

 心疾患にリンクする危険因子については前述したが、高血圧や糖尿病にしても特に自覚症状がない。いや、そんな持病への自覚から「運動不足解消には手軽で最適」とクラブを握る人も少なくないだろう。

 だが、ゴルフ中の突然死に関する数多のデータを突き合わせると、(1)起床後2〜3時間後に、(2)75%がパット時に、(3)午前も午後もスタートホールで、(4)ティーショットやセカンドショットの直後に......。

 こうした発生傾向が如実に読み取れる。言い換えれば、(1)や(3)にはゴルフ特有の時間(帯)の流れがあり、(2)や(4)には勝ち負けへのこだわり(=緊張感)や移動時の心拍数(=体力負担)などが大きく作用している。

 要は、生活習慣病の危険因子がプレー中のきっかけと結びつくと赤信号が灯るのだ。

 もちろん、寝不足と二日酔い、準備運動もなく、プレー中も止まない喫煙習慣、前半終了後の飲酒や水分補給の欠如......。"負の材料"がさらにリスクを高めるのはいうまでもない。

 一説では、ゴルフ関連の年間突然死者数は約200人。また、脱水症状を招きやすい夏季集中説に対して、むしろ(熱中症を意識する夏よりも)春〜初夏の心地よい季節や、(防寒意識も高まる冬よりも)秋〜初冬のほうが「緊急搬送は多い」とする声など、諸説ある。

 いずれにしても、40歳過ぎたら"無茶ゴルフ"は慎まないと突然の痛みに見舞われるかもしれない。
(文=編集部)