シェア9割のBitcoinが注目される理由とは?日銀がBitcoinなどに関するレポートを公開:モバイル決済最前線

写真拡大

日本銀行(BOJ)は12月21日、「『デジタル通貨』の特徴と国際的な議論」と題した、「デジタル通貨」や「分散型元帳」技術に関するトレンドや各国の動向についてまとめた最新の調査報告を公開した。

このベースとなる調査報告は、国際決済銀行(Bank for International Settlements:BIS)の決済・市場インフラ委員会(Committee on Payments and Market Infrastructures:CPMI)が2015年11月に「Digital currencies」のタイトルでまとめたもので、興味ある方は合わせて参照してみてほしい。今回は、この「デジタル通貨」や「分散型元帳」の世界で何が起こっており、各国がどのような動きを見せているのかを、調査報告の要点をまとめる形で紹介する。{if || }{else}「デジタル通貨」とは何か?「デジタル通貨」というと「電子マネー」やゲーム内での仮想通貨、Bitcoinのような「暗号通貨(Cryptocurrency)」を想像するかと思うが、その定義をどうするかで対象が大きく異なってくる。ふだん、われわれが物のやり取りに使っているお札、つまり「日本銀行券」を銀行に預けた場合、実際に銀行や銀行間でやり取りされるのは紙幣そのものではなく、銀行内で記録された「電子的なデータ」だ。

その意味では、これらもデジタル通貨といえるのかもしれないが、より狭義には法的な裏付けのない商店など特定箇所やWeb流通のものを指す。さらに今回のテーマとなるデジタル通貨は、冒頭で挙げたBitcoinのような「暗号通貨(Cryptocurrency)」、しかも「分散型元帳(Distributed Ledger)」と呼ばれる仕組みを使って信頼性が担保される方式の「通貨」だ。

(デジタル)通貨の種類とその取引の仕組み(出典:日本銀行、BIS CPMI)

上記はCPMI報告にあった通貨の種類ならびに、その交換方式による違いを分類したものだ。世間一般に流通している紙幣は「日本銀行券」であり、日本の中央銀行である日銀が発行している。

もともとは銀行や商店の間で流通していた"手形"にルーツを持つといわれる紙幣は、日銀に対する借用書のようなものだ。これはソブリン債と呼ばれ、発行元が金銭的価値を保証しており、この場合は日銀がその価値を保証した"紙の証文"にあたる。この価値が保証されている限り、発行元である日銀を介さずとも対人での受け渡しで価値の移転が可能だ。これを「ピア・ツー・ピア(Peer to Peer)」の取引と呼ぶ。図中にある「金券」なども、発行元が日銀ではないだけで使い道は同様だろう。

銀行への預金や銀行間取引においてデータは電子的に記録されるが、扱いとしては通常の日本銀行券と変わらない。また電子マネーについても、現在非接触決済に利用されているものの多くが法律により資金移動や管理について規制が行われており、同様の金銭的価値を持っているといえる。

一方で、オンラインゲームなどの仮想世界で流通する通貨や、今回のテーマであるBitcoinなどの暗号通貨はこうした枠組みには収まっておらず、CPMIの定義では、こうした従来の枠組みとは異なる流通通貨を「デジタル通貨」と呼んでいるようだ。

こうしたデジタル通貨は個人間での直接的な受け渡しが可能だが、オンラインゲームなどでの例を見ればわかるように、実際の所持金額やユーザー間での受け渡しは中央のシステムが集中管理を行っている。これは中央の管理を離れると不正が発生する可能性があるためだ。これは電子マネーでも同様で、例えばSuicaなどのサービスでは個々のICカードごとに金額の値を持っているが、最終的には決済時などにサーバとの照合が行われており、実際の金額は集中管理されている。

ところが、Bitcoinでは個人の間での受け渡しが発生したとしても、この取引を管理する中央のサーバは存在せず、「分散型元帳(Distributed Ledger)」という仕組みで取引台帳が分散管理されている。台帳は「ブロック」という単位で管理されており、改ざんにあたっては過去にさかのぼって膨大な計算を行うペナルティがあり、悪意のある第三者が介在するのが困難になっている。